竹内実

竹内 実（たけうち みのる）

竹内実は、1923年6月12日に中国の山東省で誕生し、2013年7月30日に逝去した日本の著名な中国文学研究者である。彼は、京都大学の名誉教授であり、立命館大学国際関係学部の教授としても知られている。竹内は、日本における中国研究の権威として、多くの業績を築きあげた。

経歴

竹内は青年期に日本へ帰国し、二松學舍専門学校で学びながら学徒出陣を経験したが、戦争の終息を迎える直前に病気により除隊した。戦後、1950年に京都大学文学部中国語学文学科を卒業し、その後東京大学の大学院で修士課程を修了した。彼は、社団法人中国研究所に入所し、その後旧東京都立大学で助教授として教鞭をとった。1973年には京都大学人文科学研究所の教授に就任し、1987年に定年退官後は名誉教授としての地位を享受した。また、立命館大学や北京日本学研究センター、杭州大学、日本文化研究所、松阪大学などでも教授として教えた。

1987年から1994年までの間、現代中国研究会の会長も務めた。竹内は、90歳での生涯を閉じるまでに多くの功績を残し続けた。

業績・活動

竹内は、研究の最前線に立ち、毛沢東の原著集『毛沢東集』を世界に先駆けて編纂した。これは、中国や他国の研究者たちにとって、重要な研究基盤となった。また、1960年には野間宏や大江健三郎らと共に中華人民共和国を訪れ、毛沢東と直接会見するという貴重な経験もしている。武田泰淳と共同で編纂した『毛沢東　その詩と人生』では、毛沢東の人間性を詳しく論じ、大きな関心を集めた。文化大革命の時期には、文革や中国共産党に対して批判的な立場をとったが、この姿勢が文革の終息後に高く評価された。

発言

竹内は、1978年に鄧小平副首相が日本を訪れた際、田中角栄の私邸を訪問したことに関して、「個人の信義を重んじるのは中国の美しい伝統であるが、日本の大衆の気持ちも理解してもらわないと」とコメントし、国際的な視点からの意見を持つ重要な学者であった。

受賞・栄典

彼の功績は、数々の賞として認められている。1992年には福岡アジア文化賞の学術研究賞を受賞し、1999年には勲三等旭日中綬章を受章した。これらの栄誉は、彼の学問への貢献の証である。

著書

竹内は多くの著作を発表しており、以下はその一部である：

• - 『日本人にとっての中国像』春秋社 1966
• - 『中国 同時代の知識人』合同出版 1967
• - 『毛沢東ノート』新泉社 1971
• - 『現代中国の文学 展開と論理』研究社出版 1972
• - 『中国への視角』中公叢書 1975

彼の著書は、中国文学や文化、歴史への深い洞察を提供し、研究の際に参照されることが多い。

竹内実の中国研究に対する情熱と功績は、今後も多くの研究者や学生に受け継がれていくことであろう。

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