竹内日出男

竹内日出男：ラジオドラマ・テレビドラマ界を彩った脚本家の軌跡

竹内日出男（1933年11月26日 - 2022年8月30日）は、日本の脚本家、作家として、ラジオドラマ、テレビドラマの分野で傑出した足跡を残しました。兵庫県西脇市に生まれ、東京大学文学部を卒業後、日本放送協会（NHK）に入局。その創造性と才能で、数多くの名作を世に送り出しました。

NHKでの活躍

1957年、竹内は東京大学卒業と同時にNHKに入局。盛岡放送局での5年間を経て、東京の本部へ異動し、ドラマ番組の演出とプロデュースに携わりました。ラジオドラマの演出では、文化庁芸術祭で度々入賞し、日本放送作家協会賞演出者賞を受賞するなど、その才能を高く評価されました。

1972年からはテレビドラマ部門に移り、連続テレビ小説『北の家族』、金曜ドラマ『新・坊っちゃん』、ドラマ人間模様の5シリーズなど、数々の人気番組でチーフプロデューサーを務めました。これらの作品は、社会現象を巻き起こし、竹内の名声を不動のものとしました。

独立後の創作活動

1977年、竹内は20年間勤務したNHKを退職し、脚本執筆を中心に文筆活動を開始しました。その活動範囲は、小説、戯曲、エッセイ、紀行文、ノンフィクションなど多岐にわたりました。また、演劇や朗読劇の舞台演出も手がけるなど、幅広い才能を発揮しました。

主な作品

竹内は、テレビドラマ、ラジオドラマの分野で数多くの作品を執筆しました。

テレビドラマ: 『中学生日記』、『聖者が街にやって来た』、NHKスペシャル『命愛してやまず』、連続ドラマ『恋料理カレンダー』など
ラジオドラマ: 『三人家族』、『流れて遠き』、『モグラたちの夢ゲリラ』、『ダンシング・イン・ザ・ダーク』、『地雷ではなく花を』、『蕨野行』など

これらの作品は、社会的なテーマを扱いながらも、人間ドラマを丁寧に描き出し、多くの人々の心を捉えました。

後進の育成と社会貢献

竹内は、長年にわたり日本脚本家連盟と日本放送作家協会の理事を務め、日本脚本家連盟ライターズスクールで講師として後進の育成にも尽力しました。弟子には、『魔法遣いに大切なこと』シリーズの山田典枝がいます。また、文化庁芸術祭放送部門の審査委員やNHK杯全国高校放送コンテストの最終審査委員も担当しました。

郷里である兵庫県西脇市では、西脇市図書館の名誉館長として市の文化行政に貢献しました。東日本大震災後には、旧友山川健の『三陸つなみ いまむかし』の補筆と編集に専念し、電子書籍版とペーパー版の出版に尽力するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組みました。

2022年8月30日、竹内日出男は心不全のため逝去されました。彼の作品は、これからも多くの人々に感動と希望を与え続けるでしょう。

主な著作物

『少年マルコ・ポーロの冒険』（小説・NHK出版1979年）
『中学生日記シナリオ集〜坂道のふたり』（近代文芸社1991）
『流れて遠き〜オーディオドラマ脚本選集（I）』（近代文芸社2001）
『夜想曲〜同選集（Ⅱ）』（近代文芸社2003）
* 『夜景1974』（小説・角川学芸出版2009）

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