竹岡勝也

竹岡勝也

竹岡勝也（たけおか かつや、1893年11月10日 - 1958年9月30日）は、日本の歴史学者であり、国学研究と日本思想史を専門としていました。九州帝国大学（現在の九州大学）教授などを歴任し、戦前・戦中・戦後にかけて日本の思想史研究に大きく貢献しました。

生い立ちと学歴

竹岡勝也は、山形県飽海郡上郷村山寺（現在の酒田市）に阿部勝也として生まれました。阿部家は多くの学者を輩出しており、竹岡もその影響を受けて学問の道を志しました。山形県立山形中学校（現在の山形県立山形東高等学校）を経て、仙台の旧制第二高等学校に進学。二高では、土井晩翠や登張竹風らの薫陶を受けました。1915年7月には東京帝国大学（現在の東京大学）に進み、1918年に文科大学史学科を卒業。大学時代には、後に歴史学者となる平泉澄と同期でした。

大学卒業時、竹岡は結婚し、同時に母方の実家である竹岡家の再興を担うことになりました。これにより、阿部勝也から竹岡勝也へと改姓しました。

経歴

大学卒業後、竹岡は明治神宮造営局に勤務し、内務省神社局属を兼ねましたが、ほどなくして辞職。その後は、法政大学予科教授を皮切りに、東京女子大学、立教大学、武蔵高等学校など、数多くの大学で教鞭を執りました。1927年6月には、九州帝国大学法文学部の助教授に就任し、新設された「日本文化史」講座を担当。1929年6月には教授に昇任しました。1934年から1936年にかけては、ドイツに留学し、現地の学術動向を学びました。

九大では、西尾陽太郎、城福勇、田村円澄、西高辻信貞など、多くの門下生を育成しました。第二次世界大戦中は、図書館長や法文学部長を歴任。しかし、1945年6月19日の福岡大空襲で自宅と蔵書を焼失するという悲劇に見舞われました。

戦後、竹岡は一時公職追放の対象となりましたが、後に解除。1951年5月には北海道大学教授に就任し、大学院の設置に尽力。1955年5月には東北大学教授へ転じ、村岡典嗣の退官後、空席となっていた日本思想史研究室を再興しました。定年退官後の1957年には、國學院大學教授となりました。

研究内容と著書

竹岡勝也は、国学研究を中心に、日本思想史を専門としていました。彼の研究は、古代から近世にかけての日本の思想の流れを幅広くカバーしており、特に復古思想に関する研究は高く評価されています。

主な著書としては、『日本文化史 第5巻 平安朝末期』、『近世史の発展と国学者の運動』、『国学史概説』、『日本思想の研究』、『日本思想史』などがあります。これらの著書は、日本思想史研究の基礎文献として、今日でも広く読まれています。

人物

竹岡勝也は、学者としてだけでなく、教育者としても優れていました。多くの学生を育成し、日本の思想史研究の発展に大きく貢献しました。また、戦後の混乱期においても、研究と教育に情熱を注ぎ続けました。

晩年

晩年は、太宰府に移り住み、『太宰府小史』の刊行に関わりました。1958年9月30日、その生涯を閉じました。

竹岡勝也の功績は、日本の思想史研究において重要な位置を占めており、その学問的遺産は、後世に受け継がれています。

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