竹浪正造

竹浪正造：生涯を絵日記に捧げた人物

竹浪正造（たけなみ まさぞう）は、1918年6月4日に生まれ、2017年10月12日に老衰で亡くなった日本の絵日記作家であり、元青森県北津軽郡鶴田町議会議員です。彼の名前は、半世紀以上にわたって毎日欠かさず描き続けた絵日記を通して、多くの人々に知られています。

絵日記との出会い

竹浪が絵日記をつけ始めたのは1954年12月、2歳になったばかりの長男の愛らしい発想や行動を記録したいと思ったのがきっかけでした。当初は子供の成長記録として始まった絵日記でしたが、次第に竹浪自身の日常や感じたことを表現する手段となっていきます。大学ノートに描かれた絵日記は、2011年10月時点で2300冊を超える膨大な量となりました。

生い立ちと社会貢献

青森県北津軽郡鶴田町で生まれた竹浪は、1936年に県立木造中学校を卒業後、南満州鉄道に入社。その後、関東軍に入隊し、朝鮮での鉄道建設作戦に従事しました。帰国後は東北電力、東北電広社に勤務し、1946年から1987年まで会社員として働きながら、鶴田町議会議員を4期16年10ヶ月務めました。その長年の功績が認められ、勲六等瑞宝章、瑞宝双光章を受賞しています。

ユーモアと温かさ

竹浪正造の絵日記が多くの人々を惹きつけたのは、そのユーモラスな視点と温かい人柄でした。日常の些細な出来事や家族との触れ合いを愛情たっぷりに描き出し、読者に笑顔と感動を与えました。また、自身の頭髪にちなんだ「ツル多はげます会」を創設し、ユーモアを交えながら地域を盛り上げました。

ベストセラー作家へ

2011年、竹浪の絵日記がテレビ番組「ナニコレ珍百景」で紹介されたことが転機となります。その放送を見た廣済堂出版の社員が感銘を受け、出版を打診。93歳にして初の著書『はげまして はげまされて ～93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記～』が出版されると、たちまちベストセラーとなりました。Amazon.co.jpや楽天ブックスで総合1位を獲得し、発売1週間後には12万部、1ヶ月後には26万部を突破する大ヒットとなりました。

主な作品

『春秋漫歩　－漫画絵日誌18年－』（1973年）
『はげまして はげまされて ～93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記～』（2011年）
『一生一途に』（2012年）
『94歳正造じいちゃん 57年間のまんが絵日記カレンダー』（2012年）
* 『ハゲ川柳』（2016年）

竹浪正造は、その生涯を通して絵日記を描き続け、多くの人々に笑顔と感動を与えました。彼の作品は、年齢に関係なく、いつまでも学び、成長し続けることの大切さを教えてくれます。

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