竹野郡 (福岡県)

竹野郡：福岡県筑後地方の消滅した郡

はじめに

竹野郡は、福岡県（旧筑後国）に存在した郡です。本稿では、竹野郡の歴史、特に近世以降の行政区域変遷について詳述します。明治時代の郡域、町村の合併や分離、そして最終的な廃止に至るまでの過程を、可能な限り詳細に解説します。

郡域

1878年（明治11年）の行政区画としての発足当時の竹野郡域は、現在の久留米市の一部（田主丸町地区）とうきは市の一部（吉井町長栖・吉井町鷹取地区）に相当します。

近世以降の沿革

明治維新直前の明治初年、竹野郡の全域は筑後久留米藩の領地でした。当時の村落は、今泉村、坂井村など89の村から構成されていました。

1871年（明治4年）、廃藩置県により久留米県の管轄となり、同年、第1次府県統合で三潴県に移管されます。1876年（明治9年）、三潴県は複数の村を統合し、行政区域の再編を実施しました。具体的には、複数の村が合併して長栖村、船越村、野田村など23の村と1つの町（吉田町）が新たに形成されました。この時、吉田町と村島村は田主丸村に、徳間村、三明寺村、富本村は竹野村にそれぞれ合併しました。

同年、第2次府県統合により福岡県の管轄となりました。そして、1878年（明治11年）11月1日、郡区町村編制法の施行により、行政区画としての竹野郡が正式に発足しました。郡役所は田主丸町に置かれ、生葉郡と共同で管轄されました。

1889年（明治22年）4月1日、町村制が施行されると、竹野郡は田主丸町、船越村など7つの町村に再編されました。この再編において、いくつかの村が合併し、新たな村が形成された他、既存の村の一部が他の郡に移管される事例もありました。

1896年（明治29年）4月1日、郡制施行に伴い、竹野郡と生葉郡の一部を統合して浮羽郡が発足し、竹野郡は廃止されました。

行政

竹野郡と生葉郡は共同で郡長が管轄していました。

まとめ

竹野郡は、明治時代の行政区域変遷を象徴的に示す事例です。廃藩置県、府県統合、町村制施行、そして郡制施行と、幾度もの行政改革を経て、その歴史に幕を閉じました。この過程において、多くの村が合併・分離を繰り返し、現在の久留米市とうきは市の一部を形成する礎となりました。竹野郡の歴史を紐解くことは、筑後地方の歴史を理解する上で非常に重要な意味を持ちます。

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