笑福亭伯鶴

笑福亭伯鶴：祖父の影響から落語家への道、そして数々の困難を乗り越えて

笑福亭伯鶴は、1957年大阪府東大阪市に生まれました。幼少期から祖父の影響を受け、道頓堀角座に通い詰めるほど落語に親しんだ伯鶴は、素人名人会（毎日放送）に何度も出演し、名人賞を受賞するほどの腕前を誇っていました。大阪府立盲学校高等部卒業後、1975年3月10日、6代目笑福亭松鶴に入門。同年、念願の初舞台を踏みます。

伯鶴の落語家としての歩みは順風満帆ではありませんでした。彼は落語会への出演だけでなく、人権公演にも積極的に参加するなど、幅広い活動を行っていました。使用する出囃子は『陽気に行こう』で、カントリーソングをアレンジした独特のものです。

しかし、2008年12月1日、不幸な事故に見舞われます。仕事の打ち合わせからの帰宅途中、大阪市淀川区の阪急宝塚線三国駅で、ホームと電車の間に足を踏み外し転落。約10メートル引きずられ、両足骨折、脳挫傷など、意識不明の重体となりました。毎日新聞大阪本社発行点字新聞「点字毎日」2009年1月29日号では、入院中の様子が「伯鶴のご機嫌さんです」という記事として掲載されています。

事故後、懸命なリハビリに取り組み、4月末には病院を退院。復帰に向けて本格的なリハビリに励みました。この様子は、6月5日付読売新聞夕刊でも報道されました。そして、8月8日には、事故後初めて公の場に姿を現します。大阪市内で開かれた集いにゲストとして参加し、8月9日付サンケイスポーツには、ファンに元気な姿を見せたことが報じられました。

そして、2012年6月10日、長きにわたるリハビリを経て、ついに高座へ復帰を果たします。

伯鶴の得意ネタの一つに『相撲場風景』があります。彼の落語には、幼少期からの落語への情熱、そして数々の困難を乗り越えてきた経験が凝縮されていると言えるでしょう。

彼の半生は、さとう裕著『風は誰にも見えない―全盲の落語家の半生』（六法出版社 1998/11 ISBN 978-4897706481）に詳しく綴られています。この本は、視覚障害を持つ落語家としての彼の生き様、そして落語への揺るぎない情熱を描いた貴重な記録です。

笑福亭伯鶴の活躍は、多くのファンに勇気と感動を与え続けています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

関連事項

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外部リンク

* ホットウイング　笑福亭伯鶴マネージメント事務所HP

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