笑福亭笑子

笑福亭 笑子

概要

笑福亭 笑子（しょうふくてい しょうこ）は、兵庫県神戸市出身の上方落語家、腹話術師、俳優。本名小野 綾子。オーストラリア・メルボルンを拠点に、海外を中心に活動する唯一の落語家として知られています。英語落語や腹話術を用いたパフォーマンスで、世界各地の舞台に立ち、日本の伝統芸能を発信しています。

多様な経歴

神戸山手女子短期大学卒業後、神戸市婦人交通指導員として警察に勤務。交通安全指導で腹話術を取り入れた経験が、腹話術師としての原点となりました。退職後、カナダへ留学し英語を習得。帰国後はタレント活動を開始し、読売テレビ「24時間テレビ」大阪会場司会を３年連続で務めるなど、テレビ・ラジオで活躍。関西の複数局でレギュラー番組を担当したほか、英語力を活かしてシンガポールへ移住し、国営放送局Mediacorpで５年間ラジオパーソナリティを務めるなど、国際的なキャリアも築いています。

落語への転身と海外での修行

シンガポール滞在中、笑福亭鶴笑のパペット落語に感銘を受け、落語家を志願。一度は断られますが、鶴笑のロンドン移住を知り、自らアプローチして弟子入りを許されます。2004年3月30日に入門後、ロンドンで約４年間修行。学校公演、コメディークラブ、劇場など様々な舞台を経験し、エジンバラフリンジフェスティバルにも出演しました。

国境を越える高座

2008年に大阪へ帰国し、天満天神繁昌亭を中心に日本語の古典落語にも取り組みました。その後、シンガポールを経て、2012年からはオーストラリア・メルボルンに拠点を移し、海外を主な活動の場とします。メルボルンでは、英語でのパペット落語会や学校公演を精力的に行う一方、定期的に日本へ帰国し、繁昌亭などに出演しています。2013年には東京でも活動を展開し、東京新聞でも取り上げられました。2014年以降はメルボルンを拠点に、世界各地での公演活動を本格化。メルボルン国際コメディーフェスティバルでは毎年単独公演を開催するなど、海外での評価を確立しています。

多方面での活躍

国際的に活躍する一方で、メディア露出も多数。「グッと地球便」や「なぜそこに日本人」で特集されました。2016年には「Australia's Got Talent」で準決勝に進出。2019年にはアデレードフリンジフェスティバルにて、ソロショー「Absolutely Normal」が５星を獲得するなど、高く評価されています。

俳優としても活動しており、2025年には世界配信映画「Saccharine」に出演予定。また、ソロショー「Absolutely Normal」は2020年からAmazonプライムビデオにて配信されています。2024年には芸歴20周年を迎えました。

笑福亭笑子は、警察官、タレント、ラジオパーソナリティといったユニークな背景を持ちながら、落語家として異文化の中で独自の道を切り拓いてきました。英語と腹話術を駆使した独自のスタイルで、日本の伝統芸能である落語の新たな可能性を示し、世界の舞台で挑戦を続けています。

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