笠置型防護巡洋艦

笠置型防護巡洋艦

笠置型防護巡洋艦は、日清戦争後の日本海軍の艦艇の中でも特に注目される艦です。この艦型は、アメリカにおいて2隻が建造され、同型艦として知られる「笠置」と「千歳」が存在しています。これらの艦は、日本海軍における最後の外国製防護巡洋艦として、その存在が特に際立っています。

建造の背景

笠置型防護巡洋艦は、日清戦争を経た後の第一期拡張計画の一環として、アメリカに発注されました。この発注は外交的な配慮から行われたとされています。艦型は、当時の艦艇「吉野」の改良版である「高砂」と非常に類似しており、設計面においても多くの共通点がありました。「笠置」はクランプ社フィラデルフィア造船所で建造され、対照的に「千歳」はユニオン・アイアン・ワークス社サンフランシスコ造船所で製造されました。両艦はそれぞれ1898年と1899年に竣工し、日本海軍に引き渡されました。

兵装と性能

両艦は竣工後に英国のアームストロング社や横須賀で兵装が搭載されましたが、同型艦でありながらも、船体の寸法や武装配置にはいくつかの相違点が見られました。例えば、「千歳」の常備排水量は4,760トンで、全長は115.27メートル、全幅は14.99メートル、吃水は5.37メートル、最大速力は22.25ノットです。これにより、艦の運動性能も高いものとなっていました。

戦歴

「笠置」と「千歳」はその後、日本のさまざまな軍事作戦に参加しました。1900年には北清事変のために清国に派遣され、日露戦争では黄海海戦や日本海海戦などの重要な戦闘に参戦して、その活躍が期待されました。「千歳」は1907年にはアメリカで行われた植民300年祭の記念観艦式に参加し、また「笠置」は1911年度に少尉候補生のための遠洋航海が行われ、ハワイ方面への航海を行いました。

第一次世界大戦においても、両艦は青島攻撃作戦などに参加し、その存在感を示しました。しかし、「笠置」は1916年に座礁により失われ、「千歳」は1921年に二等海防艦に類別変更されました。最終的には、1928年に除籍され、1931年には撃沈処分となりました。

同型艦の一覧

1. 笠置 [I]
2. 千歳 [I]

両艦は、その時代の日本海軍において重要な役割を果たし、艦隊の強化に寄与しました。これらの防護巡洋艦は、海上での作戦においてその意義と機能を持ち続けながら、歴史に名を刻んでいます。

参考文献

• - 海軍歴史保存会『日本海軍史 第7巻』（第一法規出版、1995年）
• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第5巻 重巡I』（光人社、1989年） ISBN 4-7698-0455-5
• - 福井静夫『福井静夫著作集第4巻 日本巡洋艦物語』（光人社、1992年）ISBN 4-7698-0610-8

関連項目

• - 大日本帝国海軍艦艇一覧

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