第九艦隊 (日本海軍)

第九艦隊の概要

第九艦隊（だいきゅうかんたい）は、昭和18年（1943年）11月15日に日本海軍によって設立された艦隊であり、その主な任務は、オーストラリアでの整備を行っているアメリカ軍の北上に対抗し、西部ニューギニアの防衛を行うことでした。この艦隊は、水上部隊に加えて陸上部隊を編成し、特に陸上部隊が中心となった構成でした。

編成と構造

当初は「艦隊」と名乗っていましたが、水上艦艇は限られた数の駆潜艇のみで、実質的な主力は陸上の2つの根拠地隊で構成されていました。このうち、第7特設根拠地隊は連戦によって疲弊しており、その戦力は弱体化していました。1944年3月には、第7特設根拠地隊は第2特別根拠地隊と併合され、新たに第27特別根拠地隊となりました。この新しい部隊は、カイリル島を包含する本隊と、少数の警備隊で構成されていました。

この艦隊は、南東方面艦隊から南西方面艦隊に移管され、その司令部はウェワクの北岸に置かれました。後にホーランディア（現在のジャヤプラ）へと移動しましたが、1944年4月22日にアメリカ軍がホーランディアに上陸した際、この艦隊は約1,000人の兵力で迎撃に出ました。これがホーランジアの戦いです。

戦闘と解隊

戦闘は熾烈を極めましたが、5月3日には撤退中に第九艦隊司令部が壊滅し、司令官の遠藤喜一中将や参謀長の緒方真記少将を含む多くの幹部が戦死しました。その2日前には、ビアク島への駐留を目的として新たに第28特別根拠地隊が編成されましたが、結局、第九艦隊への増援は叶いませんでした。各部隊が孤立化したことにより、1944年7月10日には第九艦隊は解隊され、残された第27特別根拠地隊は南西方面艦隊の直率部隊として運営されることになりました。これにより、彼らは終戦まで自活を余儀なくされることとなったのです。

第28特別根拠地隊は結局第九艦隊に所属することはなく、第四南遣艦隊の下で活動し、ビアク島の戦いでその存在を終えました。

歴代司令長官と編成

第九艦隊の歴代司令長官には、遠藤喜一中将が1943年11月15日から1944年5月3日まで在任していました。また、参謀長である緒方真記少将も同様の任期でした。この艦隊は、創設当初から南東方面艦隊の隷下として活動し、その後南西方面艦隊に移行しました。

• - 編制（1943年・1944年・解隊時）

全体の編成は様々に変更される中で、特に1944年の最終時には第27特別根拠地隊と第90警備隊が中心となり、艦隊の指揮命令系統が確立されました。

まとめ

第九艦隊は、日本海軍の中でも特異な構成を持ち、陸上部隊を主力とした艦隊でしたが、戦局の変化や敵の攻撃によって早期に解体される運命にありました。その短い歴史の中で、多くの将兵が戦い、祖国を守るために尽力したことは、記憶されるべき重要な事実です。

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