第二次イタリア戦争

第二次イタリア戦争：フランスとカスティーリャ・アラゴンの激突

第二次イタリア戦争は、1499年から1504年にかけて勃発した、フランス王国による二度目のイタリア遠征です。第一次イタリア戦争で敗北したフランスは、その反省を踏まえ、周到な準備を重ねて再戦に臨みました。この戦争は、ルイ12世のイタリア戦争、またはナポリ継承戦争とも呼ばれます。

戦争の背景

第一次イタリア戦争でナポリ王位簒奪に失敗したシャルル8世の死後、ルイ12世がフランス王に即位しました。ルイ12世は、祖母ヴァランティーヌ・ヴィスコンティを通じてミラノ公国と縁があり、先王以上にイタリアへの関心を持っていました。彼は前回の失敗を教訓に、カスティーリャ・アラゴンやヴェネツィア共和国と同盟を結び、外交関係を構築し、王位請求を再開しました。

ミラノ遠征

1489年、ルイ12世はヴェネツィア共和国、スイス誓約同盟との交渉を終え、軍勢をミラノ公国へ進めました。ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァに対し、ヴァランティーヌ・ヴィスコンティの孫としてミラノ公位を要求。ルドヴィーコはスイス傭兵を動員しましたが、政敵ジャン・ジャコモ・トリヴルツィオ率いるフランス軍に敗北しました。この勝利により、ルイ12世はミラノ公爵を兼ね、トリヴルツィオは王国元帥となりました。

ナポリ遠征

ミラノ併合後、ルイ12世はカスティーリャ・アラゴン王フェルナンド2世をナポリ王領分割を条件に味方に引き入れようとしました。1500年11月、両者はナポリ分割を定めたグラナダ条約を締結。さらに1501年、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世との間でトレント条約を結び、ミラノ公国領有に関与しない約束を取り付けました。

その後、カスティーリャ・アラゴンの援軍が南イタリアへ上陸。ルイ12世もミラノから南下し、両軍はナポリ王フェデリーコ1世を退位させました。しかし、フェルナンド2世は最初からルイ12世にナポリ王位を譲るつもりはありませんでした。カスティーリャ・アラゴン軍はゴンサロ・デ・コルドバ将軍の援軍を呼び寄せ、ヴェネツィア共和国の傭兵隊長バルトロメオ・ダルヴィアーノを雇用し、戦力増強を図りました。

1503年4月、チェリニョーラの戦いで、ゴンサロ率いるカスティーリャ・アラゴン軍は、フランス軍を打ち破りました。数で大きく上回っていたフランス軍は、ヌムール公ルイ・ダルマニャックが戦死するなど大きな損害を被り、敗走しました。さらに、ダルヴィアーノの援軍を得て増強したカスティーリャ・アラゴン軍は、ガリリャーノ川でフランス軍を追撃、フランス軍は大きな損害を出し、撤退を余儀なくされました。

戦争の結果と影響

敗走したルイ12世は形勢不利を悟り、スフォルツァ家の継承を再認するという条件で休戦条約（ブロア条約）を結びました。リヨン条約ではナポリ王はフェルナンド2世が兼ねることが宣言され、カスティーリャ・アラゴンは南イタリアを支配下に置きました。戦争終結後、フェルナンド2世は、娘フアナを呼び戻し、フアナと夫である神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の息子フィリップとの結婚を通して、領土を拡大しました。フェルナンドの死後、王国の領有権はフアナ、そしてその息子カルロス1世へと継承され、カスティーリャ・アラゴン（スペイン）、ナポリ、神聖ローマ帝国（オーストリア）がハプスブルク家の下で同君連合として結びつき、ヨーロッパに未曾有の超大国が誕生することになりました。

この第二次イタリア戦争は、ヨーロッパの勢力図を大きく変える契機となりました。フランスのイタリア支配の試みは失敗に終わり、ハプスブルク家の台頭を許すことになったのです。

参考文献

Phillips, Charles and Alan Axelrod. Encyclopedia of Wars. New York: Facts on File, 2005.
Losada, Juan Carlos (2006). Batallas Decisivas de la Historia de España. Punto de Lectura.
Montgomery, Bernard Law. A History of Warfare. New York: World Publishing Company, 1968.
Batista González, Juan (2007). España Estratégica. Guerra y Diplomacia en la Historia de España. Sílex.

外部リンク

Political Events - 1504
Chronology of More Recent Times: 1501 AD - 1600 AD

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