第八管区海上保安本部について
第八管区海上保安本部(以下、八管)は、
日本海側の広範囲な海域を管轄する
海上保安庁の地方機関です。その管轄範囲は、
福井県、
京都府、
兵庫県北部、
鳥取県、
島根県に及び、竹島を含む広大なエリアをカバーしています。本部は
京都府舞鶴市に置かれ、4つの海上保安部、6つの海上保安署、航空基地、情報通信管理センターを擁しています。
管轄海域の特性
八管の管轄海域は、
山口県と
島根県の境界から
石川県と
福井県の境界まで、約1,960kmにも及ぶ海岸線を持ちます。この海域は、日本だけでなく中国、韓国、北朝鮮、
ロシアなど多くの国の
船舶が往来する、国際的な交通の要衝でもあります。
過去には
ナホトカ号重油流出事故のような大規模な災害も発生しており、これらの教訓から、八管では警備業務、海難救助業務、災害防除業務の強化に努めています。
主要な任務
八管の主な任務は以下の通りです。
不法漁業の取り締まり: 日本海有数の漁場である大和堆周辺での、韓国や北朝鮮の不法漁業者の取り締まり。
密輸・密入国対策: 北朝鮮工作員による不法入国や、
麻薬、偽造紙幣の
密輸阻止。
原子力関連施設の警備: 若狭湾の原子力関連施設群や島根原子力発電所の警備。
竹島周辺海域の警戒: 韓国が不法占拠する竹島周辺海域での、韓国海洋警察庁による日本
漁[[船]]拿捕を阻止するための警戒。
年表
1948年5月1日: 海上保安庁発足と同時に、舞鶴海上保安本部として設置(管轄は石川県西部、福井県、兵庫県の日本海側)。
1950年6月1日: 第八管区海上保安本部に改編。
鳥取県、
島根県が広島海上保安本部(第六管区)から移管され、
石川県西部は第九管区へ移管。
組織
第八管区海上保安本部: 京都府舞鶴市
敦賀海上保安部: 福井県敦賀市
小浜海上保安署(福井県小浜市)
福井海上保安署(
福井県坂井市)
舞鶴海上保安部: 京都府舞鶴市(本部と同一庁舎内)
宮津海上保安署(
京都府宮津市)
香住海上保安署(兵庫県美方郡香美町)
境海上保安部: 鳥取県境港市
鳥取海上保安署(鳥取県鳥取市)
隠岐海上保安署(
島根県隠岐郡
隠岐の島町)
浜田海上保安部: 島根県浜田市
美保航空基地: 鳥取県境港市
舞鶴海上保安航空支援センター: 京都府舞鶴市(海上保安学校内)
主要な保有船艇・航空機
八管は、多数の巡視船艇と航空機を保有し、広大な海域での活動を支えています。
巡視船・巡視艇
敦賀海上保安部
PL91 巡視
船つるが:1000トン型巡視
船
PL92 巡視船えちぜん:1000トン型巡視船(潜水士配属船)
PS202 巡視
船ほたか:高速特殊警備
船
CL147 巡視艇すいせん:20メートル型巡視艇
舞鶴海上保安部
PLH10 巡視
船だいせん:ヘリコプター1機搭載型巡視
船
PL22 巡視船みうら:3000トン型巡視船
PL93 巡視
船わかさ:1000トン型巡視
船
CL74 巡視艇ゆらかぜ:20メートル型巡視艇
CL108 巡視艇あおい:20メートル型巡視艇
境海上保安部
PL53 巡視船きそ:2000トン型巡視船
PL01 巡視
船おき:1000トン型巡視
船(
潜水士配属
船)
CL110 巡視艇やえざくら:20メートル型巡視艇
CL148 巡視艇みほぎく:20メートル型巡視艇
浜田海上保安部
PL71 巡視船いわみ:1000トン型巡視船
PS205 巡視
船あさま:高速特殊警備
船
CL111 巡視艇やなかぜ:20メートル型巡視艇
航空機
舞鶴海上保安部(巡視船だいせん搭載機)
MH914 まいづる:S-76D(
回転翼機)
美保航空基地
MA726 みほわし1号:ボンバルディアDHC-8 Q300(固定翼機)
MA728 みほわし2号:ボンバルディアDHC-8 Q300(
固定翼機)
MH961 みほづる1号:AW139(回転翼機)
MH973 みほづる2号:AW139(
回転翼機)
事案
2020年6月、八管では、職員による不適切な行為が発覚し、関係者が
懲戒処分を受けました。これは、組織内の規律を維持するための重要な措置です。
参考文献
『世界の艦[[船]]』2020年10月号、海人社、2020年8月25日。
関連項目
海上保安学校
舞鶴地方隊(海上自衛隊)
外部リンク
第八管区海上保安本部
敦賀海上保安部
舞鶴海上保安部
境海上保安部
浜田海上保安部