第六大陸

第六大陸

『第六大陸』は、小川一水が2003年に発表したSF小説であり、早川書房から全2巻の形で刊行されています。本作は第35回星雲賞の日本長編部門を受賞しており、現在ではハードSFとして知られています。

概要

物語は近未来を舞台にし、月の開発をテーマにしています。タイトルは、南極[[大陸]]に代わる形で月が新たな大陸として位置づけられることを示唆しています。小川一水にとってこの作品は初の単行本であり、早川書房から提供されるものとしては異例のカラー口絵が追加されています。この表紙イラストは、アニメ『プラネテス』で知られる幸村誠が手がけています。

あらすじ

物語は2025年から始まります。化石燃料の枯渇が問題視され、世界は平和的な道を模索する時代となっています。海底にはドーム型都市が建設され、海底交通の発展が進んでいます。この時代の中で、青峰走也という25歳の建築技術者が登場します。彼は御鳥羽総合建設に所属しており、月に結婚式場を建設するという夢と荒唐無稽な計画に着手します。

走也は、プロジェクトの依頼主であるエデン・レジャーエンターテイメントの社会長・桃園寺閃之助の孫娘、妙と共に月へ向かいます。彼らは月での結婚式場の完成に向けて、運用までの12年間を費やします。その間に、走也と妙はさまざまな冒険や困難を経験し、互いの存在を支え合いながら成長していくのです。

彼らの物語は、月と地球、さらには宇宙を舞台に展開され、友情や愛情、そして人間の成長の過程が丹念に描かれています。走也は月の開発に関わる中で、自身の技術力や人間関係を磨き、未来に向けて進んでいきます。

受賞歴

本書は、さまざまな文学賞で評価を受けています。特に、2003年の「おすすめ文庫王国　今年の収穫ベストテンSF部門」で10位にランクインし、さらに『SFが読みたい!』のベストSF2003 国内篇で第2位に選ばれました。

漫画化

『第六大陸』は、2008年から2010年にかけてウェブコミック誌『FlexComixネクスト』にて全22話の連載が行われました。作画は吉祥寺笑が担当し、単行本は全5巻が出版されています。

書誌情報

• - 小説

- 第六大陸 1 (早川書房 ハヤカワ文庫JA、2003年6月刊、ISBN 4-15-030727-X)
- 第六大陸 2 (早川書房 ハヤカワ文庫JA、2003年8月刊、ISBN 4-15-030735-0)

• - 漫画

- 第六大陸 01 (ソフトバンククリエイティブ Flex Comix、2009年6月刊、ISBN 978-4-7973-5499-7)
- 第六大陸 02 (同上、2009年8月刊、ISBN 978-4-7973-5562-8)
- 第六大陸 03 (同上、2009年12月刊、ISBN 978-4-7973-5756-1)
- 第六大陸 04 (同上、2010年4月刊、ISBN 978-4-7973-5918-3)
- 第六大陸 05 (ほるぷ出版 Flex Comix、2012年6月、ISBN 978-4-5938-5697-8)

他作品への登場

山本弘の小説『去年はいい年になるだろう』においては、小川一水本人が小説の構想を語るシーンが存在します。ただし、作品内では歴史が改変され、小川は執筆を断念することになります。

外部リンク

• - 小川遊水池 - 作品解説 第六大陸 - ウェイバックマシン
• - FlexComixWeb - 第六大陸

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