第十一号掃海艇 (2代)

第十一号掃海艇

旧日本海軍に所属した掃海艇、「第七号型掃海艇」（三代目）の五番艇である。

建造と竣工

本艇は1938年（昭和13年）5月30日に浦賀船渠で起工された。同年9月20日には掃海艇として正式に類別され、同年12月28日に進水、翌1939年（昭和14年）7月15日に竣工を迎えた。竣工後は佐世保鎮守府の所属となった。

初期活動：日中戦争

竣工後間もない1939年には、日中戦争における華中方面での作戦に参加し、機雷掃海などの任務にあたった。

太平洋戦争緒戦：南方作戦

太平洋戦争開戦に際し、本艇は1941年（昭和16年）4月10日に新編された第三艦隊の一部である第一根拠地隊に編入され、その隷下の第二十一掃海隊に所属した。

フィリピン攻略

開戦劈頭の南方作戦では、比島（フィリピン）攻略部隊の一員として重要な役割を果たした。

ビガン攻略: 第二急襲隊に加わり、上陸部隊を乗せた船団の護衛を担当。1941年12月7日に台湾の馬公を出撃し、12月10日のビガン上陸作戦を支援した。この作戦中に、同じ第二十一掃海隊に所属していた「第十号掃海艇」が敵機の空襲により沈没するという損害を被った。
ラモン湾上陸作戦: ビガン攻略後、「白鷹」を除く第一根拠地隊は軽巡洋艦「長良」などと共に第四護衛隊を編成し、ルソン島南部のラモン湾への上陸作戦に参加。この作戦は1941年12月24日から実施された。

蘭印攻略

1941年12月26日、比島攻略部隊の大半は蘭印部隊へと改編された。第二十一掃海隊は、軽巡洋艦「神通」らを擁する東方攻略部隊の第二護衛隊として、オランダ領東インド（蘭印）の攻略作戦に従事することとなった。

メナド攻略: 1942年1月9日にセレベス島のマグナガ湾を出撃し、1月11日に実施されたメナド及びケマへの上陸作戦において、本艇はメナド攻略船団の護衛にあたった。同日、第二十一掃海隊はバンカ泊地の掃海作業も実施した。
潜水艦捜索: 1942年1月14日にはモルッカ海で多数の潜水艦が発見されたとの報告を受け、駆逐隊と共に掃討作戦に参加したが、成果はなかった。この報告の多くは鯨の誤認によるものと判断された。
ケンダリー攻略: 1942年1月21日より開始されたセレベス島南東部のケンダリー攻略作戦にも参加。攻略部隊は同日バンカ泊地を出撃し、1月24日に上陸を成功させた。
アンボン攻略: 蘭印作戦における次の目標はアンボン島であった。第二十一掃海隊は駆逐隊の一部と共に1942年1月28日にケンダリーを出発し、1月30日に攻略船団に合流。船団は同日夜から翌朝にかけてアンボンに到着し、上陸作戦が開始された。

触雷による損傷と修理

アンボン攻略作戦中の1942年2月2日、アンボン湾内での掃海作業中に、「第十一号掃海艇」と「第十二号掃海艇」が機雷に接触し爆発。両艇は航行不能となる甚大な損傷を負った。さらにその後、「第九号掃海艇」も触雷し沈没するという、掃海隊にとって大きな損害が発生した。

損傷後、本艇は応急修理を受けて活動を再開したとみられ、1942年3月10日には第二南遣艦隊第二十一特別根拠地隊に編入されている。本格的な修理はその後行われ、同年4月20日に修理が完了した。

修理完了後から終焉まで

修理完了後、「第十一号掃海艇」は主に蘭印方面、特にスラバヤ周辺海域での船団護衛任務や掃海作業に従事した。

1942年8月5日には、佐世保へ帰投して入渠による本格的な修理や整備を受け、同年10月14日に出渠した。その後、同年12月27日には再びスラバヤに入港している。

1943年（昭和18年）以降も、スラバヤを拠点として、周辺海域における掃海及び重要な船団護衛任務を継続した。

最期

終戦間際の1945年（昭和20年）3月28日、「第十一号掃海艇」はセレベス島マカッサル沖において、アメリカ陸軍機による激しい爆撃に遭い、遂に沈没した。多数の戦場を駆け抜け、掃海と護衛任務に従事したその生涯を閉じた。

1945年5月10日、日本海軍から除籍された。

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