第四航空隊

第四航空隊と第七〇二海軍航空隊

第四航空隊（だいよんこうくうたい）は、日本海軍の陸上攻撃機部隊として作戦を展開した部隊です。1942年に設立され、その活動は第二次世界大戦の激化を背景に行われました。昭和17年11月1日には第七〇二海軍航空隊（だい702かいぐんこうくうたい）に改称され、後の作戦にも影響を与えました。

沿革

四空の設立

1942年、ラバウルの確保には長距離哨戒可能な陸上攻撃機が必須とされました。当初は内南洋部隊に属する千歳海軍航空隊がその役割を担う予定でしたが、千歳海軍航空隊には新鋭機の配備が乏しかったため、フィリピン爆撃を終えた高雄海軍航空隊から一式陸上攻撃機を引き抜くことになりました。これにより、1942年2月10日に第四航空隊が新たに編成され、ラバウルに派遣されました。

高雄海軍航空隊の陸攻隊は、セレベス島ケンダリー基地を出発し、トラック環礁を経てラバウルに到着し、現地で千歳空陸攻隊と合流しました。2月19日には接近中のアメリカ機動部隊を発見し、21日には出撃して機動部隊を撃退しましたが、陸攻隊は多くを失いました。さらに、残存機によるポートモレスビーへの初めての空襲が行われました。

その後、1942年4月には第25航空戦隊が新編され、空の任務が引き継がれました。この時期、第四航空隊は南洋方面の航空作戦に重要な役割を果たしましたが、悪化する戦局により「死空」とまで言われる損失が続きました。特に珊瑚海海戦やガダルカナル島への攻撃では厳しい状況を経て、多くの機体を失うことになりました。

七〇二空への改称

1942年11月1日、部隊は「第七〇二海軍航空隊」に改称され、定数は48機に増強されました。以降は夜間攻撃訓練や本州東方海上の哨戒に従事しました。1943年5月上旬にはラバウルに進出し、ショートランドにも一部進出しました。特筆すべきは、同年の5月23日に魚雷艇母艦「ナイアガラ」を撃沈させた際の活躍です。

また、6月には敵の上陸に際して共同で攻撃を行い、輸送艦「マッコーリー」を撃破するなど、戦闘の中での重要な戦力として機能しました。しかし、戦局の厳しさは増し、10月27日には「ろ号作戦」に参戦し、ブーゲンビル島沖航空戦に出撃するものの、損失が続くことで機体は払底してしまいました。

解隊

1943年12月11日、歴史を刻んできた第七〇二海軍航空隊は解隊されました。部隊の指揮を執った森玉賀四大佐および久野修三との艦隊の歴史は、当時の海軍航空戦の中で重要な一章となっています。彼らの戦いは、多くの部隊と同様に過酷な状況下での戦闘を余儀なくされ、様々な戦局を経て、海軍の歴史に名を刻んでいます。

参考文献

• - 『日本海軍編制事典』（芙蓉書房出版 2003年）
• - 『航空隊戦史』（新人物往来社 2001年）
• - 『日本海軍航空史2』（時事通信社 1969年）
• - 『戦史叢書 海軍航空概史』（朝雲新聞社 1976年）
• - その他多くの戦史叢書や専門書がこの部隊の活動を記録しています。

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