第百一号輸送艦

第百一号輸送艦について

第百一号輸送艦は、大日本帝国海軍が太平洋戦争中に運用した輸送艦であり、第百一号型輸送艦の1番艦として知られています。この艦は、戦時中の輸送作戦において重要な役割を担うべく建造されましたが、その短い生涯は、激しい戦火の中で幕を閉じました。

建造の背景

第百一号輸送艦は、マル戦計画に基づいて計画された輸送艦であり、当初は仮称艦名第1501号艦とされていました。当初の計画では、艦本式甲25型高圧単式タービンと零号乙15改型ホ号缶を主機とする予定でしたが、これらの機関部の製造が遅れたため、計画が変更されました。大阪造船所、川南工業浦崎工場、日立造船向島造船所に建造が割り当てられた艦のうち、最初の2隻ずつは、400馬力の中速ディーゼルエンジン3基を搭載して建造されることになりました。本艦は、この変更を受けて建造された6隻のうちの1隻です。

艦歴

1943年12月1日に大阪造船所で起工され、1944年1月25日に進水しました。同年2月5日には第百一号特設輸送艦と命名され、呉鎮守府の管轄下に置かれました。艤装工事を経て、3月8日に竣工し、連合艦隊に編入され軍隊区分補給部隊に配属されました。その後、南西方面での輸送作戦に従事しました。

5月28日には、第102号特設輸送艦と共にタマ20船団に加入し、高雄を出発しました。6月9日には、第102号特設輸送艦とともに第22号掃海艇の護衛を受け、ハルマヘラ島カウからアンボンへ向かいましたが、経由地のタワで第22号掃海艇が触礁したため、離礁作業に協力しました。6月30日には、他の輸送艦2隻と船団を組み、第12号掃海艇ら2隻の護衛を受けアンボンを出発し、7月9日にスラバヤに到着しました。

9月5日、呉鎮守府の管轄を離れ、正式に第百一号輸送艦と改名され、本籍を呉鎮守府に定められました。同日付の艦艇類別等級別表の改正で、輸送艦の部に二等輸送艦、艦型名に第百一号型がそれぞれ新設され、第百一号型の1番艦となりました。

沈没

10月28日、第百一号輸送艦は多号作戦に参加し、オルモック湾で揚陸中に空襲を受け、沈没しました。12月10日には、第百一号型輸送艦から削除され、帝国輸送艦籍からも除籍されました。

輸送艦長

吉松吉彦大尉が、1944年3月8日から1944年11月15日まで輸送艦長を務めました。

まとめ

第百一号輸送艦は、太平洋戦争の激戦の中でその生涯を終えた輸送艦でした。当初の計画変更や、輸送任務中の事故、そして最期は作戦中の沈没という、数奇な運命を辿った艦として、歴史に名を刻んでいます。

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