第百七十九号哨戒特務艇

第百七十九号哨戒特務艇について

第百七十九号哨戒特務艇は、第二次世界大戦中に日本海軍によって運用されていた特務艇であり、哨戒任務を主な役割としていました。この艇は、第一号型哨戒特務艇の第72番艇であり、戦争の終わりとその後の清掃活動において重要な役割を果たしました。

艇歴の概略

この艇は1944年11月5日に第百七十九号哨戒特務艇と命名され、佐世保鎮守府に編成されました。戦時の中で、哨戒任務に従事することが期待されていましたが、実際に哨戒線へ出撃する記録は残っていません。終戦を迎えた1945年には、残存していたものの、艦隊の編成においては必要とされず、海軍省の廃止に伴って11月30日に除籍されました。

戦後の経緯

戦後、1945年12月1日よりこの艇は第二復員省に所属し、掃海艦としての役割が与えられました。この期間中、艦名は哨特第百七十九号に変更され、掃海業務に従事することとなります。1946年には所属が仙崎掃海部に変更され、その後、下関掃海部へと移籍しました。

1948年には運輸省に移管され、後に海上保安庁に編入され、掃海船MS-29に改名されました。朝鮮戦争の勃発後、共産側潜水艦による機雷敷設の危険が予想されたことが影響し、この艇も掃海任務に再度投入されました。特に1950年7月には東京湾と佐世保港での掃海が指示され、その後も継続的に掃海活動を行いました。

その後の派遣と業務

1951年12月には艦名がおおしまMS-29に改正され、掃海任務が行われている間、他の艦船とともにさまざまな掃海作業に従事してきましたが、他艦に比べて船体の状態が劣っていたため、特定の掃海作業には参加できないこともありました。最終的には、保安庁警備隊に移管され、1954年に海上自衛隊に改組されると、掃海艇としての職務を続けました。

除籍とその後

1957年9月1日に艇番号がMSI-689に改正され、最終的に1962年3月31日に海上自衛隊から除籍となりました。この艇の歴史は、日本の海軍が直面した戦争の激動の中での役割や、戦後の掃海作業の重要性を示す一例として、現代においても振り返られるべきものです。

参考文献

この艇に関する詳細な情報は、日本海軍の艦艇に関する資料や戦時日誌、復員庁の記録などからも確認でき、戦争および戦後の日本の海上活動において重要な資料となっています。

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