第百九十一号哨戒特務艇

第百九十一号哨戒特務艇の概要

第百九十一号哨戒特務艇（だいひゃくきゅうじゅういちごうしょうかいとくむてい）は、日本の海軍に所属していた特務艇であり、特に第一号型哨戒特務艇の75番目の艦艇として位置づけられています。この艇は、太平洋戦争の終息時にはまだ存在しましたが、その後の朝鮮戦争で遭遇した状況により沈没しました。

艇歴の詳細

この艇は、マル戦計画に基づき、特務艇の一部として設計されました。最初は、第2121号艦型の191番艇として計画され、仮称名は第2311号艦となっていました。1944年11月5日に「第百九十一号哨戒特務艇」と命名され、第一号型哨戒特務艇の69番艇に定められ、配備先として佐世保鎮守府が予定されました。

1945年3月8日、船体が完成し、福岡造船鉄工株式会社から佐世保海軍工廠に引き渡されました。同年の3月27日には竣工し、正式に佐世保鎮守府に編入され、連合艦隊第二十二戦隊第二監視艇隊に加わりました。しかし、この艇が哨戒任務に出撃した記録は残っていません。

7月1日、この艇は第二監視艇隊から削除され、徳山防備隊に編入されました。終戦時にはこの艇は航行不能の状態にあり、呉に停泊していました。

1946年8月15日、復員庁により第二復員局呉地方復員局の管理下に置かれ、掃海艦としてその運用が決定され、帝国特務艇からは除籍されました。同日、艦名は「哨特第百九十一号」に改称され、大竹掃海部に所属することとなります。1947年8月1日には大竹掃海部が解散され、下関掃海部に移管されました。

1948年1月1日には復員庁が廃止され、その後は運輸省に移管されました。5月1日には海上保安庁へ編入され、掃海船MS-30として新たに運用が始まりました。その後、8月20日には「哨特第一九一号 MS-30」として再度船名が設定されました。

朝鮮戦争での遭遇

1950年、朝鮮戦争が勃発すると、第百九十一号哨戒特務艇は日本特別掃海隊第4掃海隊に配属されました。10月17日に下関を出港し、20日に群山に到着して掃海活動を実施しました。しかし、10月27日に群山沖で座礁し、その結果として沈没しました。この事件は、同時期に駆潜特第二〇二号 MS-14が元山沖で触雷して沈没した例と共通しています。

1950年12月21日には、「哨特第一九一号」は駆潜特第二〇二号と共に海上保安庁から解役されました。こうした経緯を経て、この艦艇は歴史の中で重要な役割を果たしたのです。

参考文献

• - 海軍省に残る各種の命令や報告書
• - 昭和期に刊行された艦艇に関する書籍や文献
• - 各種の戦史や軍事史に関する資料を参考にしています。

このように第百九十一号哨戒特務艇は、その艦歴や運用状況から、日本の海軍艦艇の運用の歴史を知る上で貴重な存在です。

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