第百五十三号哨戒特務艇

第百五十三号哨戒特務艇の概要

第百五十三号哨戒特務艇は、日本海軍が運用した特務艇で、特に掃海作業に特化した艦船です。この艇は、第一号型哨戒特務艇の60艇目であり、太平洋戦争終結時にも生き残った数少ない艦船の一つです。戦後もその名前や所属を変更しながら、掃海任務に従事しました。

艇歴

この艇の設計はマル戦計画に基づき、特務艇第2121号艦型の153番艇として計画されました。1944年11月5日に第百五十三号哨戒特務艇と命名され、第一号型の57番艇として、佐世保鎮守府を本籍にされました。1945年4月29日には、船体の基本的な構造が完了し、有限会社福島造船鉄工所から呉海軍工廠へ引き渡されました。

その後、1945年7月23日に正式に竣工し、呉鎮守府に本籍を移した後、第七艦隊下関防備隊に編入されました。しかし、戦争の混乱の中、終戦を迎えることになります。1945年11月30日、海軍省が廃止されたことにともない、この艦艇は除籍されます。

終戦後の1945年12月1日、第二復員省の設立により、呉地方復員局の管轄下に置かれ、掃海艦として改編されました。同時に艦名も哨特第百五十三号へと変更されました。1946年6月15日には、外交的変化に伴い、下関掃海部に所属が変更されました。

1948年1月1日、復員庁が廃止されると、運輸省に移管され、1950年4月20日には若松港沖で掃海作業中に殉職者を出すという悲劇もありました。朝鮮戦争勃発に際して、1950年11月15日には特別掃海隊に編入されましたが、実際の掃海作業には携わらないまま、1951年12月1日には「たかしま MS-26」と命名が改められました。

特別掃海の任務として、1952年3月24日には父島二見港に残存する感応機雷の処分を行うための特別掃海隊が編成されましたが、艇の不具合のために交代し、特別掃海隊に組み入れられました。この特別掃海は1952年4月19日から5月4日にかけて行われました。

1952年8月1日には保安庁警備隊に移管され、佐世保航路啓開隊第8掃海隊に編入されます。1954年7月1日、保安庁警備隊は海上自衛隊に改組され、それに伴い掃海艇として再編成されました。

その後も第8掃海隊に所属し、多くの編入先を経た後、1957年には艇番号がMSI-688に改正されました。1962年には支援船に編入され、掃海雑船33号 YAM-33に変更されていきました。1963年には「掃海船」としての呼称に改められ、1964年3月31日には海上自衛隊から除籍されました。

まとめ

第百五十三号哨戒特務艇は、戦争の激動の中でさまざまな任務に従事し、時代の変化に柔軟に対応してきた艦艇でした。その総合的な役割と長い運用歴は、日本の海上防衛の歴史において重要な一ページを刻んでいます。

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