第百六号哨戒艇

第百六号哨戒艇について

第百六号哨戒艇（だいひゃくろくごうしょうかいてい）は、日本海軍が運用していた捕獲艦艇の一つです。元々はオランダのヴァン・ガレン級駆逐艦にあたる「バンケルト」であり、日本海軍の船として活躍する前の歴史があります。彼女の命名は1944年の4月20日でしたが、その頃には工事が未完了の状態でした。

背景と艇歴

この艦艇は1930年、すなわち昭和5年に竣工されました。艦艇の歴史として重要な出来事は、日本軍による爆撃で装甲や設備が損傷し、スラバヤにて自沈することでした。自沈後、日本海軍は艦艇を引き上げ、全ての兵装を日本軍の仕様に変更しました。その後、昭和19年の4月に第百六号哨戒艇と名付けられ、旗艦籍は呉鎮守府に設定されました。さらに、この艦艇は第二南遣艦隊に編入され、哨戒任務に従事します。

しかし、第百六号哨戒艇は終戦を迎えるまでに改造工事が完了することはありませんでした。この状態は、艦艇の運用において制約要因となりました。

戦後の1947年、艦艇は日本海軍から除籍され、その後オランダ海軍に接収されました。最終的には1949年にマデラ海峡で標的として撃沈される運命を迎えました。

艦艇の詳細

第百六号哨戒艇の要目は以下の通りです。

• - 基準排水量: 1,316トン
• - 垂線間長: 98.0メートル
• - 全幅: 9.5メートル
• - 吃水: 3.0メートル
• - 機関: 重油専焼水管缶4基、ギヤード・タービン2基、2軸推進
• - 速力: 最大26ノット
• - 定員: 140名（ただし定員制は適用されていなかった）

兵装

兵装に関しても注目すべき点があります。第百六号哨戒艇は以下の武装を備えていました：

• - 40口径三年式8cm高角砲 単装2基2門
• - 25mm機銃 3連装4基12門
• - 爆雷 24個
• - その他: 大発動艇2隻を搭載することができました。

このように、第百六号哨戒艇は数々の戦局で活躍することが期待されていた艦艇であり、その歴史も興味深いものがあります。彼女の設計や運用については、今でも多くの文献に取り上げられており、研究者や歴史愛好者にとっては重要な対象とされています。

参考文献

以下の文献は、第百六号哨戒艇に関連する情報の収集に役立ちます。

• - 坂本正器、福川秀樹『日本海軍編制事典』、芙蓉書房出版、2003年。ISBN 4-8295-0330-0
• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第13巻 小艦艇I』（光人社、1990年） ISBN 4-7698-0463-6
• - 防衛研修所戦史室『戦史叢書 第46巻 大本営海軍部・聯合艦隊(6) -第三段作戦後期-』、朝雲新聞社、1971年。
• - 福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1

関連項目

さらに、関連する情報を知りたい方は「大日本帝国海軍艦艇一覧」をご覧ください。

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