第1回全国同時地方選挙 (韓国)

第1回全国同時地方選挙の概要

1995年6月27日に実施された第1回全国同時地方選挙は、大韓民国（韓国）の地方自治体の首長や議会議員を選出するための重要な選挙です。これは、地方自治制が徹底的に確立される第一歩となり、国民にとっても大きな意味を持つイベントでした。この選挙は、特別市・広域市・道といった広域自治体、および市・郡・自治区といった基礎自治体での選挙が同時に行われ、地方自治の理念が具体化された瞬間でした。

選挙の背景と意義

今回の選挙は、長らく中央政府の任命制が続いていた地方首長の選挙が、公選制に戻る初のケースとなりました。この変更は、1970年代以来35年ぶりのことであり、多くの国民にとって地方政治参加の機会が刷新されることを意味しました。選挙自体は、当時の金泳三政権に対する評価が大きな焦点となり、その中間評価が試される場ともなりました。

選挙戦は各地で激化し、与党である民主自由党（民自党）は敗北を喫する結果となりました。特に嶺南地域においては、野党第一党の民主党が強い支持を受け、湖南地域では自由民主連合が圧倒的な勢力を誇る結果となりました。これにより、地域間の政治的嗜好が強く表れたことが分かります。

主要な法改正

この選挙では、従来の選挙法が廃止され、新たに「公職選挙及び選挙不正防止法」が制定されました。この法律により、各種選挙に関する法制度が整備され、金権選挙の改善を目指しました。公営選挙が拡大され、不正選挙に対する罰則も強化されたため、選挙の透明性が高められることとなりました。

選挙の経過

1989年に改正された地方自治法により、地方自治体の首長選挙も住民が直接選出することができるようになったという歴史的背景があります。その後の複数の延期を経て、1995年にようやく全国規模の選挙が実施される運びとなりました。金泳三政権下での改革が実現し、各自治体の長選挙が国民の手によって行われるようになったのです。

基礎データと選挙結果

基礎自治団体長

• - 広域自治団体長：特別市（市長）6箇所、道知事（知事）9箇所の計15箇所。
• - 基礎自治団体長：全国で230人の首長が選出されました。

この選挙の投票率は68.3％に達し、有権者の関心の高さを示しました。特に、女性市長が初めて選出されたことは、社会的な意義を持ちます。

このように、1995年の選挙は韓国の民主化と地方政治史において重要な位置を占める結果となり、以来、地方自治が本格的に根付いていく基盤が整った瞬間となります。後の政治状況にも大きな影響を与えたこの選挙は、韓国における市民参加と民主的な意思決定の重要性を再確認させるものでした。

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