自由民主連合

自由民主連合：韓国保守政党の軌跡

自由民主連合（자유민주연합、略称：自民連）は、1995年に韓国で結成された保守政党です。民主自由党（自由韓国党の前身）を離党した金鍾泌（キム・ジョンビル）氏を中心としたグループによって創設され、中部地方の忠清道（チュンチョンド）を主な支持基盤としていました。

結成と初期の躍進

金鍾泌氏は、1995年1月に民主自由党代表を辞任した後、2月に同党を離党し、新党結成を表明。同年3月30日に自由民主連合が正式に発足し、金鍾泌氏が総裁に就任しました。その後、新民党との合併を経て、同年6月に行われた第1回全国同時地方選挙で忠清道など複数の地域で勝利をおさめ、勢力を拡大しました。

翌1996年の第15代総選挙では、忠清道を中心に50議席を獲得し、第2野党に躍進。保守勢力における存在感を示しました。

DJP連合と政権参加

1997年の大統領選挙では、金鍾泌氏が自民連の大統領候補に選出されましたが、当選には至りませんでした。しかし、新政治国民会議（国民会議）の大統領候補であった金大中（キム・デジュン）氏との間で、大統領選における候補一本化（DJP連合）が実現。この合意は、金大中氏の当選に大きく貢献しました。

金大中政権発足後の1998年には、自民連は連立与党に参加。金鍾泌氏は国務総理に就任し、政権運営に重要な役割を果たしました。地方選挙でも一定の成果を収め、政権内での地位を維持しました。しかし、責任内閣制への憲法改正の約束が反故にされたことなどを受け、2000年には政権を離脱し、野党に戻りました。

衰退と消滅

2000年の第16代総選挙では、自民連は17議席にとどまり、院内交渉団体を維持することができませんでした。その後も党勢回復には至らず、2002年の地方選挙でも敗北を喫しました。2004年の第17代総選挙ではわずか4議席しか獲得できず、金鍾泌氏も落選。金鍾泌氏は政界引退を表明し、自民連は事実上終焉を迎えることとなりました。

さらに、盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領に対する弾劾訴追案への対応も党勢に大きな影響を与えました。当初は慎重な姿勢を示していた自民連でしたが、大統領の謝罪会見に激怒し、訴追案に賛成。この決定が国民の支持を失うこととなり、続く総選挙での惨敗につながったと分析されています。

2006年、自由民主連合はハンナラ党に吸収合併され、歴史の幕を閉じました。

まとめ

自由民主連合は、金鍾泌氏を中心とした保守勢力が、韓国政治において一定の影響力を行使した政党でした。しかし、政権参加後の対応や大統領弾劾案への対応など、いくつかの転換点が党勢の衰退を招いたと見られます。忠清道という明確な支持基盤を持ちながらも、時代の変化に対応しきれず、最終的には他の政党に吸収されるという結果に終わりました。その興亡は、韓国政治における保守勢力の変遷を象徴する出来事と言えるでしょう。

もう一度検索