第1次安倍内閣 (改造)

第1次安倍改造内閣の概要

第1次安倍改造内閣は、安倍晋三が第90代内閣総理大臣に就任し、2007年8月27日から同年9月26日までの約30日間存続した日本の内閣です。この内閣は自由民主党と公明党の連立によるもので、前の内閣と同様の党体制を敷いていました。

改造の背景

安倍内閣は前の内閣の改造に際し、様々な要因が絡んでいました。前回の内閣は、複数の閣僚による不適切な発言や「政治とカネ」の問題、年金記録の杜撰な管理、そして格差社会の深刻化など、数多くの問題を抱えていました。これらの問題が影響し、安倍はその後の選挙で歴史的な惨敗を喫することになります。特に自民党は、参議院第1党の座を民主党に奪われたため、「ねじれ国会」と呼ばれる少数与党の立場に立たされ、政権運営が厳しさを増しました。

選挙後、安倍は「反省すべきは反省しつつ、改革を続けなければならない」という意向を示し、新内閣の発足に至りました。人事に関しては、各閣僚候補者の事前調査を念入りに行う一方で、派閥の実力者を重視した布陣が組まれています。

改造内閣の人事と特色

改造内閣では、特に派閥の領袖クラスを起用することで安定感を図りました。防衛相には高村正彦、外相には町村信孝、文科相には伊吹文明、財務相には額賀福志郎が就任。厚生労働相には、年金問題に対応するため舛添要一が抜擢されました。それでも、就任から数日で早速不祥事が発覚するなど、内閣は暗雲に包まれました。

野党からは「旧派閥内閣」との批判が寄せられ、またメディアによる「がけっぷち内閣」という揶揄も目立ちました。これに対し、安倍は透明性を高めた対応を強調して新体制での意気込みを表明しました。

内閣の動きと短命

新内閣は発足4日目には閣僚の辞任者が出る事態に直面します。農林水産大臣が補助金絡みの問題でわずか8日で辞任し、他の閣僚たちも不正が次々に発覚。与党内部での安倍への信頼が揺らぐ中、安倍自身も国会で給油の継続を巡り厳しい状況を強いられることに。このような中、安倍は国民に対し責任を全うする考えを持っていましたが、次第に退陣の意向を示すようになります。

最終的に、2007年9月12日に安倍は辞任の意向を表明。健康問題を理由に挙げましたが、その突然の辞任は国内外を問わず大きな反響を呼び、彼の政治生命は短命に終わりました。辞任発表後の世論調査では、その形での辞任が無責任とする声が多く、支持率も急速に落ち込む結果となりました。内閣改造からわずか31日での総辞職は、安倍の通算任期を366日とし、日本の首相の中で短命の部類に含まれることになります。これにより彼の内閣は「幻の内閣」と呼ばれることになりました。

まとめ

第1次安倍改造内閣は、多くの問題を抱えつつも、わずか1ヶ月ほどでの短命に終わり、安倍晋三にとって大きな挫折となりました。この内閣の動きは、その後の日本政治においても影響を与える出来事として記憶されています。

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