第1装甲軍

第1装甲軍の概要

第1装甲軍（だいいちそうこうぐん、独: 1. Panzerarmee）は、第二次世界大戦中にドイツ陸軍に所属した重要な装甲部隊です。この部隊は1940年11月16日に編成され、初代司令官のエヴァルト・フォン・クライスト元帥の名にちなみ、「クライスト装甲集団」と呼ばれていました。彼のリーダーシップのもと、この部隊は数々の戦闘で活躍し、戦況に大きな影響を与えました。

編成と初期の活動

第1装甲軍はフランス駐留中に編成され、1941年4月にはユーゴスラビア攻撃への参加が命じられました。この作戦では、クライスト装甲集団が迅速な移動に成功し、ユーゴスラビアの軍隊を撃破してベオグラードに進撃しました。1941年5月に部隊は正式に第1装甲集団に改編され、バルバロッサ作戦が発動される直前、南方軍集団に組み込まれました。

バルバロッサ作戦とキエフの陥落

1941年6月、バルバロッサ作戦が開始されると、第1装甲軍は南側の戦線を担当し、ブロディの戦いでソ連軍の戦車と激闘を繰り広げました。1941年10月6日にはキエフを陥落させ、軍団の名称も変わり、より大規模な第1装甲軍に昇格しました。ここでもクライストは指揮官として指導し、彼の指示のもと、ロストフへ向けた攻撃が行われましたが、ロストフの占領は一時的でした。8日後にはソ連軍に奪還されました。

軍団の再編と南部戦線での活動

1942年には、再びクライストの司令の下、南方軍集団やA軍集団の一部として、第二次ハリコフ攻防戦においてソ連軍に対して勝利を収めます。この時期、第1装甲軍はコーカサス地域に進出し、重要な油田を占領する作戦に参加しました。

戦局の変化と退却

しかし、1942年9月には多くの戦線が後退し始め、スターリングラードでの包囲戦がドイツ軍にとっての重大な危機をもたらしました。最終的には、指揮系統の変更が行われ、クライストは降格、エバーハルト・フォン・マッケンゼンが後任となりました。1943年には一時的にドン軍集団に所属し、戦局の転換を試みましたが、依然としてソ連軍の進撃に苦しむ状況が続きました。

最後の戦闘と解体

1944年3月における包囲戦を経て、第1装甲軍は徐々に規模を縮小し、1945年5月8日には解散しました。この時、最後の指揮官はヴィルヘルム・ハッセ大将でした。彼の指導のもと、この部隊は東部戦線で戦い続け、第二次世界大戦の幕を下ろすまでその任務を全うしました。

司令官リスト

• - エヴァルト・フォン・クライスト元帥（1941年10月5日 – 1942年11月21日）
• - エバーハルト・フォン・マッケンゼン上級大将（1942年11月21日 – 1943年10月29日）
• - ハンス＝ヴァレンティーン・フーベ上級大将（1943年10月29日 – 1944年4月21日）
• - エアハルト・ラウス上級大将（1944年4月21日 - 1944年8月15日）
• - ゴットハルト・ハインリツィ上級大将（1944年8月15日 - 1945年3月19日）
• - ヴァルター・ネーリング装甲大将（1945年3月19日 - 1945年4月3日）
• - ヴィルヘルム・ハッセ歩兵大将（1945年4月3日 – 1945年5月8日）

文献

• - Barnett, Correlli. Hitler's Generals. New York: Grove Weidenfeld, 1989
• - Wendel, Marcus. Axis History

以上のように、歴史的な背景を有する第1装甲軍は、ドイツの戦争の中で重要な役割を果たしました。

もう一度検索