第116師団 (日本軍)

第116師団について

第116師団は、1938年（昭和13年）に大日本帝国陸軍の師団として京都で編成されました。この師団は、留守第16師団が担当し、特設師団として創設されました。

編成と初期の活動

編成後、第116師団は直ちに中支那派遣軍の戦闘序列に組み込まれ、中国戦線へと派遣されました。華中地域に進出し、歩兵4個大隊を基幹とする石原支隊を編成、武漢作戦に参加しました。武漢作戦後も華中での警備任務に当たり、中支那派遣軍が廃止された後は、第13軍の戦闘序列に編入されました。

太平洋戦争中の活動

太平洋戦争開戦後も、第116師団は第13軍の隷下として華中に留まり、この方面での様々な作戦に参加しました。1944年（昭和19年）10月には、第20軍の戦闘序列に編入され、大陸打通作戦の第二段階である湘桂作戦に参加しました。特に、衡陽攻略戦では、約40日間にわたる激戦を強いられ、多大な損害を被りながらも、中国軍の抵抗を排除し占領に成功しました。

その後、第116師団は飛行場破壊作戦などに参加し、同地の警備に当たっていました。終戦時は、この地域で警備任務を遂行中に終戦を迎えました。

編制の変遷

当初、第116師団は歩兵第109連隊、歩兵第120連隊、歩兵第133連隊、歩兵第138連隊の4個連隊を隷下に持つ歩兵4個連隊制師団として編成されました。しかし、1942年（昭和17年）12月には、歩兵第138連隊が第31師団に転用され、歩兵3個連隊制師団へと改編されました。

師団長と参謀長

歴代の師団長は以下の通りです。

清水喜重 予備役中将：1938年5月15日 - 1939年5月19日
篠原誠一郎 中将：1939年5月19日 - 1941年10月15日
武内俊二郎 中将：1941年10月15日 - 1943年6月10日
岩永汪 中将：1943年6月10日 - 1945年3月9日
菱田元四郎 中将：1945年3月9日 - 終戦

また、参謀長は以下の通りです。

三島義一郎 砲兵大佐：1938年5月15日 - 1939年3月9日
山田卓爾 歩兵大佐：1939年3月9日 - 1940年8月1日
大須賀応 砲兵大佐：1940年8月1日 - 1941年8月5日
山田卓爾 大佐：1941年8月5日 - 1943年12月3日
立薗栄造 大佐：1943年12月3日 - 終戦

最終所属部隊

第116師団の最終所属部隊は以下の通りです。

歩兵第109連隊（京都）：瀧寺保三郎大佐
歩兵第120連隊（福知山）：児玉忠雄大佐
歩兵第133連隊（津）：加川勝永大佐
野砲兵第122連隊：安井清大佐
工兵第116連隊：池田金太郎大佐
輜重兵第116連隊：南喜代彦大佐
第116師団通信隊
第116師団衛生隊：井村煕中佐
第116師団第1野戦病院：小山倫夫軍医少佐
第116師団第2野戦病院：副島順造軍医少佐
第116師団第4野戦病院：阿久津澄義軍医少佐

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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