第13回ゴールデングローブ賞

概要

1955年に公開された優れた映画作品を対象とする、第13回目のゴールデングローブ賞授賞式は、1956年2月23日に開催され、その受賞結果が発表されました。ハリウッド外国人映画記者協会が主催するこの賞は、毎年、その年の映画界における notable な業績に対して贈られます。

主要部門の受賞作品と俳優

作品賞

ドラマ部門: ジョン・スタインベックの同名小説を映画化した感動的な家族ドラマ、『エデンの東』(East of Eden)が選ばれました。
ミュージカル・コメディ部門: ブロードウェイの人気ミュージカルを映画化した、フランク・シナトラらが出演する陽気な作品、『野郎どもと女たち』(Guys and Dolls)が受賞を果たしました。

俳優賞

主演男優賞（ドラマ部門）: デルバート・マン監督の人間ドラマ『マーティ』(Marty)で、主人公のマーティを演じたアーネスト・ボーグナイン (Ernest Borgnine) がその演技を高く評価されました。
主演男優賞（ミュージカル・コメディ部門）: マリリン・モンローと共演したコメディ映画『七年目の浮気』(The Seven Year Itch)で、トム・イーウェル (Tom Ewell) が受賞しました。
主演女優賞（ドラマ部門）: テネシー・ウィリアムズの戯曲に基づく『バラの刺青』(The Rose Tattoo)で、情熱的な未亡人を演じたイタリア出身の名女優、アンナ・マニャーニ (Anna Magnani) が栄冠に輝きました。
主演女優賞（ミュージカル・コメディ部門）: 作品賞も受賞した『野郎どもと女たち』(Guys and Dolls)に出演したジーン・シモンズ (Jean Simmons) が選ばれました。
助演男優賞: 『アメリカの戦慄』(Trial)での印象的な演技に対して、アーサー・ケネディ (Arthur Kennedy) が受賞しました。
助演女優賞: 主演女優賞のアンナ・マニャーニと同じく、『バラの刺青』(The Rose Tattoo)に出演したマリサ・パヴァン (Marisa Pavan) が受賞しました。

監督賞

ウィリアム・インジの戯曲を映画化した青春ドラマ『ピクニック』(Picnic)を手がけたジョシュア・ローガン (Joshua Logan) が、優れた監督として表彰されました。

その他の注目の賞

外国語映画賞

アメリカ国外で製作され、顕著な芸術性を持つと認められた外国語映画には、以下の5作品が選出されました。

Dangerous Curves (イギリス)
『子供の眼』(The Young Rebels) (日本) - 市川崑監督による、ろうあ者の子供たちを描いた作品です。
『戦場の叫び』(Kinder, Mütter und ein General) (西ドイツ)
Stella (ギリシャ)
『奇跡』(Ordet) (デンマーク) - カール・テオドア・ドライヤー監督の哲学的な傑作です。

国際賞

国際的な理解促進に貢献した作品に贈られる国際賞は、『慕情』(Love Is a Many-Splendored Thing)に授与されました。ヘンリー・キング (Henry King) が監督を務めたこのロマンス映画は、幅広い観客に愛されました。

特別な功労賞・人気賞

ヘンリエッタ賞 (World Film Favorite)

世界で最も人気のある男女スターに贈られるヘンリエッタ賞には、当時の映画界を代表するスターであるマーロン・ブランド (Marlon Brando) とグレース・ケリー (Grace Kelly) が選ばれました。

特別業績賞 (Special Achievement Award)

早逝しながらも、映画史に強烈な軌跡を残した若手俳優、ジェームス・ディーン (James Dean) に対し、その卓越した才能と功績を称える特別業績賞が贈られました。

セシル・B・デミル賞 (Cecil B. DeMille Award)

映画界に多大な、そして永続的な貢献を果たした人物に贈られる生涯功労賞は、ワーナー・ブラザースの共同創設者でありスタジオ経営者であるジャック・L・ワーナー (Jack L. Warner) が受賞しました。

ハリウッド市民賞 (Hollywood Citizenship Award)

ハリウッドのコミュニティへの貢献を称える賞は、女優のエスター・ウィリアムズ (Esther Williams) に贈られました。

新人賞とテレビ関連

将来を期待される新人俳優に対しては、男女それぞれの部門で賞が設けられました。

新人男優賞 (Most Promising Newcomer - Male):
レイ・ダントン (Ray Danton)
ラス・タンブリン (Russ Tamblyn)
新人女優賞 (Most Promising Newcomer - Female):
アニタ・エクバーグ (Anita Ekberg)
ヴィクトリア・ショー (Victoria Shaw)
ダナ・ウィンター (Dana Wynter)

また、映画だけでなくテレビ分野での顕著な業績も表彰されました。

テレビ業績 (Television Achievement):
デジ・アーナズ (Desi Arnaz)
ダイナ・ショア (Dinah Shore)

ユニークな部門

この年には、「屋外部門」というユニークな作品賞部門も設けられていました。

作品賞（屋外部門）(Best Picture - Outdoor):
Wichita

第13回ゴールデングローブ賞は、1955年の映画シーンを彩った多岐にわたる作品と、それぞれの分野で才能を発揮した映画人たちに光を当て、その功績を広く紹介しました。日本映画の受賞やジェームス・ディーンへの特別賞など、後世に語り継がれる出来事も含まれています。

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