第145師団 (日本軍)

第145師団について

第145師団は、1945年（昭和20年）1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるために急遽編成された54個師団の一つです。このうち、第一次兵備として2月28日に編成が命じられた16個の沿岸配備師団の一つに数えられます。

編成の背景

太平洋戦争末期、日本本土への連合軍侵攻が現実味を帯びる中、大日本帝国陸軍は本土決戦を想定した防衛体制の強化を急務としていました。その一環として、多数の師団が新設され、第145師団もその中で編成されました。沿岸配備師団としての役割は、連合軍の上陸に備え、海岸線での防御を担うことにありました。

師団の概要

第145師団は、以下のような構成でした。

師団長: 小原一明 中将（1945年4月1日 - 終戦）
参謀長: 伊藤秀一 大佐（1945年4月1日 - 終戦）

最終所属部隊

歩兵第417連隊（広島）：青山良政大佐（若松・八幡 駐屯）
歩兵第418連隊（浜田）：黄葉収大佐
歩兵第419連隊（山口）：森本誠四郎大佐
歩兵第420連隊（広島）：小川逸中佐
第145師団噴進砲隊
第145師団速射砲隊
第145師団輜重隊
第145師団通信隊
第145師団兵器勤務隊
第145師団野戦病院

これらの部隊は、各々が担当地域における防衛任務に当たることになっていました。特に歩兵連隊は、沿岸部における上陸阻止を主な任務としていました。

戦闘への参加

第145師団は、編成後、本土決戦に備えて訓練を重ねていましたが、実際に戦闘に参加することはありませんでした。1945年8月15日の終戦を迎え、その役割を終えることとなりました。

師団の解散

終戦後、第145師団は他の多くの部隊と同様に解散しました。しかし、その存在は、当時の日本が置かれていた状況と、本土決戦への危機感を象徴するものとして歴史に刻まれています。

関連事項

決号作戦: 本土決戦計画
第一次兵備: 本土決戦に備えた最初の兵力増強
第二次兵備: 第一次兵備に続く兵力増強
第三次兵備: 第二次兵備に続く兵力増強
沿岸配備師団: 本土沿岸の防衛を担う師団
機動打撃師団: 敵の攻撃に対して機動的に対応する師団
根こそぎ動員: 戦時中の総動員体制
大日本帝国陸軍師団一覧: 大日本帝国陸軍に存在した師団の一覧

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
第百四十五師団戦史資料「第百四十五師団司令部、国立公文書館返還文書（旧陸海軍関係）・返還文書4」 アジア歴史資料センター Ref.A03032122800 
* 第百四十五師団戦史資料附録〔兵器〕「第百四十五師団司令部、国立公文書館返還文書（旧陸海軍関係）・返還文書4」 アジア歴史資料センター Ref.A03032122600


第145師団は、その短い活動期間の中で、本土防衛の一翼を担うべく編成され、終戦という激動の時代を象徴する存在の一つとなりました。

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