第15旅団 (陸上自衛隊)

陸上自衛隊第15旅団について

陸上自衛隊第15旅団は、沖縄県那覇市の那覇駐屯地に司令部を置く、西部方面隊直轄の即応近代化旅団（離島型）です。南西諸島の防衛警備や災害派遣を主な任務としています。2010年（平成22年）に第1混成団の後継として編成され、離島におけるゲリラや特殊部隊の攻撃、NBC攻撃、島嶼部侵略、大規模特殊災害といった新たな脅威に迅速かつ実効的に対応できる体制を構築することを目的としています。

編成と特徴

第15旅団は、その名の通り離島での作戦を考慮した編成が特徴です。旅団の中核となるのは、第51普通科連隊であり、これは軽装備の普通科連隊として、3個普通科中隊を基幹としています。また、離島警備部隊として、宮古島と石垣島にそれぞれ警備隊が配置されています。戦車部隊は配備されていませんが、偵察部隊には87式偵察警戒車が配備されており、旅団内では最も重装備の部隊となっています。さらに、第15高射特科連隊は、中距離地対空誘導弾を装備しており、これは陸上自衛隊の師団・旅団隷下の高射特科部隊の中では唯一の装備です。

特筆すべき点として、第15旅団には、地理的・政治的な条件から、戦車部隊や野戦特科部隊は編成されていません。また、歴史的な背景から、旅団内に直属の不発弾処理隊を編成している点も特徴的です。沖縄県内では未だに不発弾の発見が相次いでおり、その処理は重要な任務となっています。

第15ヘリコプター隊は、離島での活動を考慮し、航続距離の長いUH-60JAヘリコプターや、大型ヘリコプターのCH-47J/JA、LR-2連絡偵察機などを運用しています。

歴史

第15旅団は、2010年（平成22年）に第1混成団から改編されました。当初は、第51普通科連隊や第15飛行隊、第15後方支援隊などが編成されました。その後、部隊の改編や新編が行われ、2013年（平成25年）には第15飛行隊が第15ヘリコプター隊に改編、2014年（平成26年）には第6高射特科群が第15高射特科連隊に改編されました。また、2020年（令和2年）には第15情報隊が新編され、無人偵察機が導入されました。近年では、宮古島や石垣島に警備隊が新編され、南西諸島における防衛体制が強化されています。

部隊の改編計画

2022年（令和4年）には、第15旅団を師団に改編する方針が示され、普通科連隊の増強が計画されています。しかしながら、旅団隷下の普通科連隊（軽）の規模が師団隷下の普通科連隊よりも小さいため、師団への改編後も、人員規模は3000名程度と、他の師団に比べて小規模になる見込みです。

その他

第15旅団では、クラブ活動としてエイサー隊が結成されており、自衛隊音楽まつりなどで演奏を披露しています。また、即応予備自衛官訓練は、西部方面混成団第24普通科連隊第4普通科中隊が担当しています。

主要部隊

第51普通科連隊
第15高射特科連隊
第15ヘリコプター隊
宮古警備隊
八重山警備隊
第15偵察隊
第15施設隊
第15通信隊
第15情報隊
第15後方支援隊
第15音楽隊

廃止された部隊

第15飛行隊
* 第6高射特科群

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