第15軍 (ドイツ軍)

ドイツ第15軍：激動の軌跡

第二次世界大戦において、ドイツ国防軍に第15軍という部隊が存在しました。本稿では、その激動に満ちた歴史を司令官交代や主要な戦闘を交えながら詳細に解説します。

創設と初期の任務

1941年1月15日、クルト・ハーゼ砲兵大将を司令官として第15軍は創設されました。当初はフランスにて任務に就き、その後は連合軍の上陸に備え、チャンネル諸島周辺の海岸防衛にあたりました。これは、イギリス本土への侵攻を阻止するための重要な防衛線でした。この初期段階において、第15軍は防御に重点を置いた活動を行い、連合軍の侵攻を阻止する役割を担っていました。

ノルマンディー上陸作戦とその後

1944年6月、連合軍によるノルマンディー上陸作戦が開始されました。この大規模な侵攻に対し、第15軍は激しい戦闘に巻き込まれました。その後、マーケット・ガーデン作戦においては巧みな防衛戦を展開し、連合軍の作戦目標達成を阻止することに成功しました。しかし、続くスヘルデの戦いでは、カナダ第1軍の猛攻の前に敗退を喫します。この敗北は、ドイツ軍の戦略に大きな影響を与えました。さらに、ブラックコック作戦ではイギリス第2軍に敗れ、劣勢に立たされることとなります。これらの戦闘は、第15軍の兵力と士気に大きな打撃を与えました。

バルジの戦いから終戦へ

1944年末には、連合軍によるバルジの戦いに参加しました。この戦いは、ドイツ軍にとって最後の反攻作戦の一つとして知られています。しかし、この作戦も成功には至らず、第15軍は更なる損害を被ることになりました。その後、ルール川沿いの激戦を経て、1945年にはルール地方で連合軍に降伏しました。これは、第15軍の歴史に終止符を打つこととなります。この降伏は、ドイツ軍の敗北を決定づける重要な出来事の一つでした。

歴代司令官

第15軍の司令官は、その激動の期間を通して幾度となく交代しています。それぞれの司令官は、その能力と指揮の下、軍の運命を左右しました。

1941年1月15日～1941年11月30日：クルト・ハーゼ砲兵大将
1941年12月1日～1943年8月7日：ハインリヒ・フォン・フィーティングホフ装甲兵大将
1943年8月8日～1944年8月24日：ハンス・フォン・ザルムート歩兵大将
1944年8月25日～1945年4月18日：グスタフ＝アドルフ・フォン・ツァンゲン歩兵大将

これらの司令官たちは、それぞれ異なる戦略や戦術を採用し、第15軍を率いて幾多の戦闘を戦い抜きました。彼らの決断と指揮は、第15軍の成り行きを大きく左右したと言えるでしょう。

結語

ドイツ第15軍は、第二次世界大戦において数々の激戦を経験した部隊でした。その歴史は、戦争の残酷さと、個人の勇気と決断が歴史の流れをどのように変えるかを示す重要な事例となっています。フランスでの防御からルール地方での降伏まで、第15軍の歩みは、戦争の歴史を理解する上で欠かせない要素と言えるでしょう。彼らの経験は、歴史の重要な一部として後世に語り継がれるべきです。

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