第150自動車化狙撃師団 (ロシア陸軍)

第150自動車化狙撃師団

第150自動車化狙撃師団（だい150じどうしゃかそげきしだん）は、ロシア陸軍の師団であり、現在は第8親衛諸兵科連合軍の下で活動しています。この部隊は、第二次世界大戦の際、ベルリンの戦いにおいてドイツの国会議事堂へ勝利の旗を掲げたことで知られています。また、最近のロシアのウクライナ侵攻においても、戦闘に参加し、歴史的な旗のコピーを持ち込むなど、その伝統を引き継いでいます。

歴史

第二次世界大戦

第150自動車化狙撃師団は1943年9月17日に、当時のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国において赤軍の第150狙撃師団として設立されました。設立以降、独ソ戦に投入され、プスコフ州の解放やドイツ・ベルリン攻勢といった激しい戦闘に参加し、枢軸国に対する勝利を収めました。この功績により、同部隊は2等スヴォーロフ勲章をはじめ、「イドリツィア」や「ベルリン」といった名誉称号を授与されました。1946年12月には解隊されました。

ロシア陸軍への再編

2016年12月、第150自動車化狙撃師団はロシア陸軍の第33独立自動車化狙撃旅団を基盤にして再編され、ロストフ州で新たに設立されました。この再編は、冷戦後の新たな軍事戦略に基づいて行われました。

ウクライナ侵攻と戦闘

東部・南ドネツク戦線

2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻に際して、第150自動車化狙撃師団はドネツク人民共和国に配備されました。この部隊は第1軍団傘下の第3独立親衛自動車化狙撃旅団や第100独立親衛自動車化狙撃旅団、スパルタ大隊と共に攻勢を開始しました。3月には東部ドネツィク州のヴォルノヴァーハを占領し、その後の戦闘で重要な役割を果たしました。

東部・マリウポリ戦線

2022年3月には、東部ドネツィク州のマリウポリ地区での戦闘が激しさを増し、同部隊はクリミア共和国から進軍してきた部隊と合流し、マリウポリを包囲しました。5月にはマリウポリを占領しましたが、部隊指揮官のオレグ・ミチャーエフ師団長と第68親衛戦車連隊のウラジーミル・ブカトキン連隊長が戦死するという痛手も負いました。

東部・セベロドネツク戦線

2022年5月、第150自動車化狙撃師団はルハーンシク州のセヴェロドネツィク地区に再配置され、他の部隊と共に攻勢を展開しました。結果的に部隊は壊滅状態に陥りましたが、7月までにセヴェロドネツィクとリシチャンシクを占領し、ロシア軍はルハーンシク州の全域を掌握しました。9月には連戦の影響で後方に移動し、占領下のハルキウ州イジューム地区バラクリヤに配備されました。

東部・アウディーイウカ戦線

2023年1月、第150自動車化狙撃師団はドネツィク州ポクロウシク地区に移動し、攻勢を開始しましたが、マリンカで撃退される結果となりました。しかし、10月には第20親衛自動車化狙撃師団と合同で再度の攻勢を行い、12月にはマリンカを占領しました。

東部・バフムート戦線

2024年3月には、再びバフムート地区に再配置され、激しい戦闘の中で攻勢を開始しました。今後の動向にも注目が集まります。

まとめ

第150自動車化狙撃師団は、第二次世界大戦の栄光から現在の厳しい戦闘に至るまで、歴史の重要な舞台で活躍し続けています。その動向は、国際情勢においても大きな影響を及ぼす要素となっています。

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