第154師団 (日本軍)

第154師団は、1945年（昭和20年）1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるために急遽編成が決定された54個師団の一つです。このうち、第一次兵備として2月28日に編成が命じられた16個の沿岸配備師団の一つとして、その歴史が始まりました。

師団の概要

第154師団は広島で編成され、第57軍の戦闘序列に組み込まれました。太平洋戦争末期の混乱の中、本土防衛という重要な役割を担うこととなりました。

歴代師団長

第154師団の師団長は以下の通りです。

毛利末広 中将：1945年（昭和20年）3月31日 - 7月16日
（心得）二見秋三郎 少将：1945年（昭和20年）7月16日 - 終戦

参謀長

宮原健雄 大佐：1945年（昭和20年）3月31日 - 終戦

最終所属部隊

第154師団は、以下の部隊で構成されていました。

歩兵第445連隊（鳥取）：連隊長 堀龍市大佐
歩兵第446連隊（鳥取）：連隊長 瀬野赳大佐
歩兵第447連隊（岡山）：連隊長 佐々木高一中佐
歩兵第448連隊（岡山）：連隊長 永松亨一中佐
第154師団砲兵隊
第154師団速射砲隊
第154師団輜重隊
第154師団通信隊
第154師団兵器勤務隊
第154師団野戦病院

用語解説

決号作戦：大日本帝国が立案した本土決戦作戦の総称。連合軍の上陸作戦に対し、本土で徹底抗戦を行う計画でした。
第一次兵備：本土決戦に備え、最初に編成された師団群。第154師団もこの兵備に属します。
沿岸配備師団：海岸線に配置され、上陸してくる敵軍を迎え撃つ役割を担った師団。第154師団もこの役割を担っていました。
根こそぎ動員: 戦争末期、兵力不足を補うために、年齢や健康状態に関わらず国民を動員した制度。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

決号作戦
第一次兵備
第二次兵備
第三次兵備
沿岸配備師団
機動打撃師団
根こそぎ動員
* 大日本帝国陸軍師団一覧


第154師団は、太平洋戦争末期の混乱期に、本土防衛という重大な使命を担って編成された師団でした。その編成から終戦までの短い期間で、数多くの将兵が激動の時代を生き抜きました。この情報が、第154師団に関する理解を深める一助となれば幸いです。

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