第2次キャメロン内閣

第2次キャメロン内閣：保守党単独政権とEU離脱の影

2015年5月7日に行われたイギリスの総選挙で保守党が勝利し、デービッド・キャメロン首相による保守党単独政権、第2次キャメロン内閣が発足しました。それまでの保守党と自由民主党による連立政権から、保守党単独政権への移行は、イギリス政治における大きな転換点となりました。

キャメロン首相は、再任を果たした主要閣僚を発表しました。財務大臣にはジョージ・オズボーン、内務大臣にはテリーザ・メイ、外務・英連邦大臣にはフィリップ・ハモンド、国防大臣にはマイケル・ファロンがそれぞれ留任しました。オズボーンは、筆頭国務大臣の称号も与えられました。

その他閣僚人事では、新たな顔ぶれも加わりました。内閣を去ったエリック・ピックルズの後任としてグレッグ・クラークがコミュニティー大臣に、クリス・グレイリングの後任としてマイケル・ゴーヴが司法大臣に就任。グレイリングは庶民院院内総務に就任しました。

自由民主党が担っていた複数の閣僚ポストは、保守党の大臣が引き継ぎました。ビジネス大臣にはサジード・ジャビド、エネルギー大臣にはアンバー・ラッド、スコットランド大臣にはデービッド・マンデル、財務省主席担当官にはグレッグ・ハンズがそれぞれ就任しました。文化大臣にはジョン・ウィッティングデールが就任しました。

また、新たなポストにはマシュー・ハンコックが内閣府担当大臣に、マーク・ハーパーが院内幹事に、アナ・スーブリが小規模ビジネス・産業・事業担当大臣に、プリティ・パテルが雇用担当大臣に、そしてロバート・ハルフォンが無任所大臣に就任しました。これらの閣僚人事により、キャメロン内閣は保守党による単独政権としての体制を固めました。

しかし、この内閣の大きな出来事として、2016年6月に実施されたEU離脱・残留の国民投票が挙げられます。国民投票の結果、EU離脱が決定しました。この結果を受け、キャメロン首相は新しい保守党党首が選出された後に首相を辞任する意向を表明しました。

その後、キャメロン首相は7月13日に辞任し、内務大臣を務めていたテリーザ・メイが新たな首相に就任しました。第2次キャメロン内閣は、わずか1年余りでその幕を閉じ、イギリスは大きな政治的転換期を迎えることとなりました。キャメロン内閣は保守党単独政権として発足したものの、EU離脱問題という、イギリスの将来を大きく左右する課題に直面し、その対応に苦慮することとなったのです。メイ首相へのバトンタッチは、EU離脱に向けた新たな段階への移行を象徴するものでもありました。

主な閣僚

首相: デービッド・キャメロン
財務大臣: ジョージ・オズボーン
内務大臣: テリーザ・メイ
外務・英連邦大臣: フィリップ・ハモンド
国防大臣: マイケル・ファロン
司法大臣: マイケル・ゴーヴ
ビジネス大臣: サジード・ジャビド
エネルギー大臣: アンバー・ラッド
スコットランド大臣: デービッド・マンデル
財務省主席担当官: グレッグ・ハンズ
文化大臣: ジョン・ウィッティングデール

略称

MP: Member of Parliament（下院議員）
PC: Privy Councilor（枢密顧問官）
QC: Queen's Counsel（王室顧問弁護士、勅選弁護士）

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