第2次伊藤内閣

第2次伊藤内閣の概要

第2次伊藤内閣は、1892年8月8日に伯爵・伊藤博文が内閣総理大臣に就任し、1896年9月18日まで続いた日本の内閣です。この内閣は、義理人情を背景にした元勲たちを中心に構成されており、「元勲内閣」とも呼ばれました。伊藤は1896年8月31日に辞職し、その後は枢密院議長の黒田清隆が一時的に総理大臣の職務を代行しました。

内閣の人事

伊藤内閣の発足当初、内閣書記官長や法制局長官が任命され、政治の要職には、前首相の黒田清隆や山縣有朋、井上馨、大山巌、西郷従道といった顔ぶれが名を連ねていました。その結果、政府の信頼性が高まり、他の党派との連携を模索する基盤が整えられました。

内閣の活動と政治的動向

内閣発足直後、前内閣の失敗から学んだ伊藤は、民党とのより良い関係構築を目指し、議会での予算案審議などを重視しました。特に第4回帝国議会では、海軍拡張などを含む8390万円の予算案が提案されましたが、民党の反発により修正案が通過しました。この経緯がきっかけとなり、伊藤は議会との協力関係構築に努力し、最終的には「和衷協同」詔勅を発布し、政府と民党の妥協を呼びかけました。

他方、伊藤内閣は日清戦争に突入し、外政においても積極的な動きが見られました。陸奥宗光外務大臣が指導する下、日英通商航海条約が締結され、領事裁判権の撤廃に成功しました。この成果は日本の国際的地位を高め、国力の強化に寄与しました。

教育と経済政策

教育政策は伊藤政権の重視した分野の一つでした。前文部大臣・森有礼の後、井上毅が引き継ぎ、特に実学の重要性が強調されました。これにより、職業教育や専門学校等、多くの教育機関が設立され、日本の人材育成に貢献しました。

経済的には、日清戦争後の賠償金や好景気を活かし、積極的な殖産興業政策が講じられました。1896年度予算案では、数多くのプロジェクトが立ち上げられ、産業の発展が図られました。ただし、圧倒的な戦争費用がかさむ中で、追加の借金を必要とする赤字財政が継続しました。

政治の変化と終焉

伊藤内閣は、戦争の影響で一時的に強化されたものの、外部の政治革新の波や新たな政治勢力の台頭に直面しました。結果的に、伊藤は自身の任期満了を見届ける形で辞任しました。その後は黒田が臨時に政権を引き継ぎ、松方正義内閣へと引き継がれることとなります。

このように、第2次伊藤内閣は教育、外交、経済の各分野において重要な政策を打ち出し、日本の近代化を進めた時期でもありました。内閣の動きは日本の近代国家形成に多大な影響を及ぼしました。

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