第2次坂下門乱入事件

第2次坂下門乱入事件

1975年7月12日、東京都千代田区の皇居で、新左翼グループ「首都圏青年連絡会議」によるテロ事件が発生しました。この事件は、沖縄国際海洋博覧会（沖縄海洋博）開催を背景とした反皇室闘争の一環として行われました。

事件の背景

1975年7月20日から1976年1月18日にかけて、沖縄国際海洋博覧会が開催される予定でした。新左翼勢力は、沖縄返還後の経済混乱や皇室の戦争責任問題を理由に、皇室に対するテロ活動を激化させていました。この時期には、ひめゆりの塔事件やエスメラルダ号火炎瓶投擲事件など、沖縄海洋博に関連した新左翼によるテロ事件が相次いで発生していました。このような社会情勢の中で、第2次坂下門乱入事件は発生しました。

事件の概要

1975年7月12日午後1時5分頃、1台の白いセドリックが皇居坂下門前に猛スピードで突進してきました。警備に当たっていた皇宮護衛官が制止を試みましたが、車はそれを振り切り、車両阻止柵を破壊して皇居内に侵入しようとしました。その際、偶然皇居に入ろうとしていたタクシーに追突しました。

車を排除しようとする皇宮護衛官に対し、車から犯人グループ4人が飛び出し、「皇太子訪沖阻止」「沖縄海洋博粉砕」と書かれたアジビラを撒き散らし、赤旗を掲げながら皇居内への侵入を試みました。門前で1人が逮捕されましたが、残りの3人は鉄パイプを振り回し、宮内庁庁舎に向かって走り出しました。しかし、庁舎に到達する前に全員が確保され、現行犯逮捕されました。

犯人

逮捕された犯人たちは、その後の調べで「首都圏青年連絡会議」の構成員であることが判明しました。内訳は以下の通りです。

早稲田大学生　25歳
立正大学生　　22歳
武蔵大学生　　21歳
明治大学生　　25歳

首都圏青年連絡会議は、1974年に結成されたノンセクト・ラジカル系の新左翼党派で、当時20人ほどの構成員がいました。

事件の影響

この事件は、皇室に対するテロ行為として社会に大きな衝撃を与えました。また、沖縄海洋博をめぐる新左翼勢力の過激な行動を浮き彫りにしました。事件後、皇居の警備体制は強化され、同様のテロ行為に対する警戒が強められました。

参考文献

皇宮警察史編さん委員会編『皇宮警察史』皇宮警察本部、1976年

関連項目

新左翼
血のメーデー事件
第1次坂下門乱入事件
* 皇宮警察本部

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