第2軍団アディウトリクス

第2軍団アディウトリクス：ローマ帝国の守護者

第2軍団アディウトリクスは、西暦70年にウェスパシアヌス帝によって編成されたローマ軍団であり、その長い歴史は4世紀初頭まで遡ります。当初はラウェンナの軍港に駐留するローマ海軍の兵士で構成されていました。

初期の任務とブリテン島での活動

軍団の最初の任務は、ゲルマニア・インフェリオル属州におけるバタヴィア人の反乱鎮圧でした。反乱鎮圧後、軍団はクィントゥス・ペティリウス・ケリアリスに率いられブリテン島へ移動し、ヴェンティウスの反乱鎮圧に従事しました。その後、軍団はブリテン島に駐留し、スコットランドとウェールズの反乱鎮圧に当たりました。この頃、チェスターを拠点に活動していたと考えられています。

ダキア戦争への参加とハドリアヌスの従軍

87年、軍団はドミティアヌス帝のダキア戦争に招集されました。94年から95年にかけてはダキアに滞在しており、後のローマ皇帝となるハドリアヌスがトリブヌス・ミリトゥムとして第2軍団アディウトリクスに所属していました。

106年の夏季には、軍団はダキア人の拠点サルミゼゲトゥサを包囲しました。101年から106年にかけてのトラヤヌス帝によるダキア戦争後、軍団はアクィンクム（現在のブダペスト）を拠点として活動していたと推測されています。

その後の戦役

第2軍団アディウトリクスは、その後も数々の重要な戦役に参加しました。

162年から166年：ルキウス・ウェルス帝によるパルティア戦役
171年から173年：マルクス・アウレリウス帝によるマルコマンニ族およびクァディ族に対する戦役
179年から180年：マルクス・アウレリウス帝によるクァディ族に対する戦役（マルクス・ウァレリス・マクシミアヌスが軍団を指揮）
193年（五皇帝の年）：セプティミウス・セウェルス帝を支持し、帝位獲得に貢献
213年：カラカラ帝のアレマンニ族に対する戦役
238年：ゴルディアヌス帝によるサーサーン朝ペルシア戦役

このように、第2軍団アディウトリクスは、ローマ帝国の拡大と維持のために、帝国各地で戦い続けました。

紋章

第2軍団アディウトリクスの紋章は、カプリコーン（山羊座）とペーガソスです。

第2軍団アディウトリクスは、その勇敢さと忠誠心で知られ、ローマ軍団の中でも特に重要な役割を果たしました。その記録は、ローマ帝国の歴史を語る上で欠かせない一部となっています。

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