第206師団 (日本軍)

第206師団

第206師団は、1945年（昭和20年）1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるために急遽編成された54個師団の一つです。第二次兵備計画の一環として、同年4月2日に編成された8個の機動打撃師団の一つでもあります。

沿革

1945年4月2日、第206師団は熊本県熊本で編成され、第16方面軍戦闘序列に編入されました。連合国軍の九州南部への上陸作戦に備えていましたが、実際に上陸作戦は行われず、そのまま終戦を迎えました。

師団概要

第206師団は、本土決戦に備えるために編成された機動打撃師団の一つであり、以下のような編成でした。

歴代師団長

岩切秀 中将：1945年（昭和20年）4月30日 - 終戦

参謀

（作戦主任）小野秀雄 中佐：1945年（昭和20年）4月30日 - 終戦
原知徹 少佐：不詳 - 終戦

最終所属部隊

歩兵第510連隊（熊本）：森園武夫中佐
歩兵第511連隊（都城）：山内俊太郎中佐
歩兵第512連隊（鹿児島）：楠畑義則中佐
山砲兵第206連隊：田島昌治少佐
迫撃第206連隊：岡本成雄中佐
第206師団速射砲隊：内田修二少佐
第206師団機関砲隊：渡辺茂大尉
第206師団工兵隊：押川一美少佐
第206師団輜重隊：肝付兼武少佐
第206師団通信隊：永田秋雄少佐
第206師団兵器勤務隊
第206師団第4野戦病院

編成の特徴

第206師団は、機動打撃師団として編成されましたが、戦局の悪化により十分な装備や訓練が行き届いていなかったと考えられます。急造された師団であり、本土決戦を想定した編成であったため、連合軍の侵攻がなかったことが幸いしました。

終戦

第206師団は、連合国軍の九州南部上陸作戦に備えていましたが、作戦は実行されず、熊本で終戦を迎えました。実際の戦闘を経験することなく、その役割を終えることとなりました。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

決号作戦
第一次兵備
第二次兵備
第三次兵備
沿岸配備師団
機動打撃師団
根こそぎ動員
* 大日本帝国陸軍師団一覧

もう一度検索