第21回日本レコード大賞

第21回日本レコード大賞の概要

1979年12月31日、帝国劇場で開催された第21回日本レコード大賞では、ジュディ・オングの「魅せられて」が栄えある大賞を受賞しました。これにより、ジュディ・オングは初めての受賞者となりました。

大賞レースの背景

この年の日本の音楽シーンは、ミリオンヒットが相次ぎ、数々の名曲が生まれました。そのため、大賞争いは非常に熾烈で、注目されたのはさだまさしの「関白宣言」でした。オリコンの販売データによると、10月15日までに89万枚を売り上げており、最有力候補と見られていました。

しかし、当時のニューミュージックブームの影響で、吉田拓郎や井上陽水、アリスといったアーティストが「賞は頂きません」と発言したことが審査員に負の印象を与え、さだまさしの立場も厳しくなりました。最終的に、さだは「小林幸子の『おもいで酒』を推してほしい」との発言も影響し、候補から外れることとなりました。

次に注目されたのは山口百恵でしたが、彼女も当時の独立問題で評価が芳しくなく、審査員からは不利とされていました。その中で浮上してきたのが西城秀樹の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」でした。外国の楽曲を訳詞しているため、審査基準には合致しないものでしたが、所属事務所の強い働きかけがあり、最終的に「勇気があれば」でのノミネートが決まりました。

審査の結果

審査員55名の票決では、一次審査でジュディ・オングの「魅せられて」が27票を得て最有力となり、西城秀樹の「勇気があれば」が23票、さだまさしの「関白宣言」はわずか2票でした。決選投票に進んだ結果、ジュディ・オングが31票、西城が24票を得て、ジュディ・オングの受賞が確定しました。これは突然の展開であり、多くのメディアが「ジュディ大逆転」と報じました。

視聴率と放送中の事故

視聴率は43.3%を記録し、前回よりも0.4ポイントの上昇を見せました。さらに、番組内では松下電器産業の生コマーシャルが放送され、当時、画面が突如変わり「cm9」という表示が現れるという放送事故も発生しました。17秒間その状態が続いた後、「おそれいいますが　このまま　ちょっと　お待ちください」というテロップが表示されたことで、視聴者を驚愕させました。

司会と受賞状況

この日の総合司会を務めたのは高橋圭三で、これが11回目の司会でした。進行役には檀ふみと渡辺謙太郎が参加しました。受賞作品一覧では、最優秀歌唱賞に小林幸子の「おもいで酒」、最優秀新人賞は桑江知子が受賞しました。金賞には五木ひろし「おまえとふたり」、小林幸子「おもいで酒」などが含まれています。今年も多くのアーティストが名を連ね、華やかな音楽の祭典となりました。

おわりに

第21回日本レコード大賞は、ジュディ・オングの受賞をメインに、多くの興味深いエピソードを含んでいます。音楽界の様々な変遷を象徴する出来事として、今なお人々の記憶に刻まれています。

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