第21軍団ラパクス

第21軍団ラパクス(Legio XXI Rapax, Legio Vigesima Prima Lapax)とは

ローマ軍団の一つであり、その歴史はユリウス＝クラウディウス朝期に遡ります。

軍歴

ユリウス＝クラウディウス朝期

第21軍団は、紀元前31年にアウグストゥス帝によって創設されました。創設後、ヒスパニア・タラコネンシスに派遣され、カラブリア人との戦闘に参加したと考えられています。紀元前16年から紀元前15年にかけては、大ドルススの指揮下でラエティア人との戦闘に従軍し、ラエティア属州に駐在、カストラ・レギナに拠点を置きました。

紀元6年には、後の皇帝となるティベリウスが司令官を務めたゲルマン民族マルコマンニ族討伐のための遠征に参加。この遠征には、第21軍団の他に、第8軍団アウグスタ、第13軍団ゲミナ、第14軍団ゲミナ、第15軍団アポッリナリス、第16軍団ガッリカ、そして第20軍団ウァレリア・ウィクトリクスが参加しました。

トイトブルクの戦い以降

紀元9年のトイトブルク森の戦いで第17軍団、第18軍団、第19軍団が壊滅的な打撃を受けると、その戦力補充のため、第21軍団は駐屯地を低地ゲルマニアへと移動。第5軍団アラウダエと共にカストラ・ウェテラに駐屯しました。その後、43年には高地ゲルマニアへと再び移動しています。

フラウィウス朝期以降

68年にネロ帝が自殺し、ローマが内乱状態に陥ると、第21軍団を含むゲルマニアに駐屯する軍団はウィテリウスを支持し、ローマへ進軍しました。しかし、ウィテリウスはウェスパシアヌスとの戦いに敗北。ウェスパシアヌスが皇帝となると、第21軍団は存続を許され、クィントゥス・ペティリウス・ケリアリスの指揮下でユリウス・キウィリス率いるバタウィア人の反乱鎮圧に出動しました。反乱鎮圧後、第21軍団は第14軍団ゲミナと共に低地ゲルマニアに駐屯しました。

89年、ルキウス・アントニウス・サトゥルニヌスがドミティアヌス帝に対して反乱を起こすと、第21軍団はこれを支持。しかし、この反乱は鎮圧され、第21軍団はパンノニアへ移動させられました。92年、第21軍団はサルマタイ人との戦いにおいて壊滅し、その歴史に幕を閉じました。

もう一度検索