第3世セ・リンポチェ

第3世セ・リンポチェ、トゥプテンニマの生涯

第3世セ・リンポチェ、法名トゥプテンニマ（thub bstan nyi ma）は、チベット仏教ゲルク派の重要な化身ラマであり、ラダックのリゾン寺に所属しています。彼は「リゾン・リンポチェ（ri rdzong rin po ce）」や「リクスン・リンポチェ」とも呼ばれます。

生い立ちと出家

1937年、トゥプテンニマはインドのラダック地方で生まれました。彼の兄弟には、後にラダックの国会議員となったパクラ・リンポチェがいます。幼少期にダライ・ラマ13世によって第2世セ・トゥルクの転生者として認定され、4歳で出家し、リゾン寺に入りました。この時から、彼は仏教の道に専念することになります。

チベットでの修行

1946年、トゥプテンニマはチベット本国に渡り、第96世ガンデン・ティパ、トゥプテンクンガーに師事しました。彼はここで、仏教の基礎となる教えを深く学びました。1950年には、デプン寺ロサーリン学堂で修行を続け、仏教哲学や論理学の知識を深めました。

チベット動乱と帰郷

1959年、チベット動乱が勃発し、トゥプテンニマはラダックに帰郷せざるを得なくなりました。この動乱は、多くのチベット人僧侶や仏教徒にとって、大きな転換点となりました。しかし、彼はこの困難な状況の中でも、仏教の実践を諦めませんでした。

インドでの活動

1971年、トゥプテンニマはラランパ・ゲシェー学位を取得しました。これは、仏教の最高学位の一つであり、彼の学識の深さを示しています。その後、ギュメ寺（チベットを脱出して南インドに再建されたもの）に入り、密教を修行しました。彼はギュメ寺で副僧院長（ラマウンゼ）や僧院長（ケンポ）を歴任し、僧侶たちの指導に尽力しました。

デプン寺での役職

1984年、トゥプテンニマはデプン寺ロサーリン学堂（チベットを脱出して南インドに再建されたもの）のケンポ職に就任しました。彼はこの学堂で、多くの学生を指導し、仏教教育の発展に貢献しました。

ギュメ寺での要職

1995年、トゥプテンニマはギュメ寺のチャンツェ・チュージェ（北頂法主）に就任しました。彼は2008年10月までこの職に在任し、ギュメ寺の運営と発展に大きく貢献しました。チャンツェ・チュージェは、ギュメ寺において非常に重要な役職であり、彼の仏教への深い理解と実践が認められた証です。

ガンデン・ティパへの就任

2009年10月、トゥプテンニマは第102代ガンデン・ティパに就任しました。ガンデン・ティパは、ゲルク派の最高位の役職であり、彼の仏教への献身と学識の高さを改めて示す出来事でした。

その他の活動

欧文表記としては「Kiabje Rizong Rinpoche」などと表記されます。

まとめ

第3世セ・リンポチェ、トゥプテンニマは、その生涯を通じて仏教の教えを実践し、多くの人々に影響を与えました。幼少期からの厳しい修行、チベット動乱による困難、そしてその後の教育と指導への貢献は、彼が真の仏教指導者であることを示しています。彼の功績は、今後も多くの人々に語り継がれるでしょう。

外部リンク

リゾン寺

伝記資料

伝記資料1

伝記資料2

伝記資料3

2009年10月の段階で第102代ガンデン・ティパとして儀式を執行

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