第3次中曽根内閣

第3次中曽根内閣の概要

第3次中曽根内閣は、中曽根康弘が1986年7月22日から1987年11月6日まで日本の内閣総理大臣として君臨した内閣です。この内閣は自由民主党の単独内閣であり、その成立は自民党の与党としての強さを示すものでした。

政権成立の背景

中曽根内閣は、当時の「死んだふり解散」によって自民党が大勝を収めた結果、彼の総裁任期が特例で1年延長されることになりました。これにより、中曽根は本格的な政権を運営することとなりました。運輸大臣には橋本龍太郎が就任し、国鉄の分割民営化が大きなテーマとなりました。

政策と出来事

1986年8月に、連立与党の新自由クラブが解党し、自民党に多数が合流しました。同年9月には文部大臣の藤尾正行が韓国併合に関する発言を行い、これが韓国側からの抗議を招く事態となり、結果的に中曽根は藤尾を罷免しました。その後任には塩川正十郎が就任しました。

同月、中曽根は自身の総裁任期延長を正式に決定し、国際問題に関する発言もありました。しかし、彼の発言には批判も呼び、謝罪する必要がありました。また、防衛費の1%枠を撤廃する閣議決定も行われました。

第2次内閣の頃から内需拡大政策が主眼とされていましたが、1986年の12月に原油価格が低下したことから、経済はバブル景気に転じたとされます。しかし、1987年2月に提出された売上税法案は、以前の発言と矛盾するものとして批判される結果となり、小売業界からの反発や選挙での自民党の敗北を受けて撤回せざるを得ませんでした。

その結果、昭和62年度予算の成立は長引き、5月20日まで遅延しました。4月1日には国鉄が分割民営化され、新たに6つのJRグループが発足しました。さらに6月にはリゾート法も制定され、民間によるリゾート産業の振興が図られました。

政権の終焉

1987年7月には自民党内の議員によって新たな派閥である「経世会」が結成され、党の力学が変化しました。同年10月、中曽根総理大臣は自党の幹事長である竹下登を次期総裁に指名し、これが党の公式な決定となりました。そして1987年11月、中曽根内閣は総辞職し、竹下内閣が新たに発足しました。

閣僚の構成

この内閣には多くの重要な閣僚が名を連ねました。副総理には金丸信が指名され、法制局長官には味村治が就任しました。また、内閣官房副長官や各政務次官にも多彩な顔ぶれが揃い、内閣はさまざまな政策を推進していきました。閣僚人事は、政治的な背景や策略が複雑に絡み合っており、内閣の方針に影響を与えました。

中曽根内閣の時代は、日本の政治において重要な変革の時期であり、その影響は後の政権にも色濃く残ることになります。

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