第3次桂内閣

第3次桂内閣について

第3次桂内閣は、内大臣兼侍従長の桂太郎が1912年12月21日から1913年2月20日までの間、日本の内閣総理大臣を務めた期間を指します。この内閣の設立は、当時の日本の政治情勢において非常に重要な時期でした。

内閣の構成と任命

内閣は1912年12月21日、桂太郎が総理大臣に任命された際に発足しました。在職日数は62日となり、これは過去の内閣と比べても短命なものでした。この期間中、桂は第1次、第2次を合わせた通算で2886日間も政権を握っており、彼の政治的生涯の一部としてこの内閣は位置付けられることになります。

政治的背景と力関係

1900年代初頭の日本の政治は、官僚機構による支配が見られる時代でした。特に、桂太郎と立憲政友会の西園寺公望との間に存在した連携が特徴的です。この時期、桂と西園寺は交代で首相を務め合い、いわゆる「桂園時代」と呼ばれる政治的な連携が続きました。

しかし、内部では藩閥勢力の大物である山縣有朋が政党内閣制度に反発しており、これに対抗する原敬が政友会を取り仕切り、権力争いが繰り広げられました。1911年に西園寺内閣が成立したことにより、桂は政権から一時的に退くことになりますが、桂は再び政界に復活を果たすことになります。

二個師団増設問題と内閣の崩壊

1912年11月、二個師団増設を巡る問題が発生しました。当初は陸軍と政友会の間での争いでしたが、それが桂の復帰を目指す行動になっていく中で、事態は急速に複雑化しました。この騒動が元で陸軍の上原勇作大臣が辞職し、西園寺内閣は総辞職する羽目となりました。その結果、桂は新たに首相として政権に復帰しましたが、実際に政権運営するうえでの政治的な困難が待ち受けていました。

桂は新党を結成する意向を持ち、政友会から議員を引き抜く行動を取りました。しかし、内部の支持を得られなかったため、議事堂は群衆に囲まれ、政府側の安全が脅かされる事態にまで至りました。

最終局面と総辞職

遂に、桂は大正天皇の詔勅を引き出すことで一時的な平穏を保ちますが、その後も事態は悪化し続けました。特に、西園寺が自党の説得に失敗し、最終的には桂の総辞職が決定されることとなります。これが大正政変と称され、桂内閣は歴史的にも短命な内閣として記録されました。

政治の行方

桂の退陣後、政友会は次の政府に山本権兵衛が率いる内閣を支え、新しい政権形成へと動き出します。また、桂はその後間もなく病死しますが、彼の影響力は残り、加藤高明が立憲同志会を結成し、政友会と並ぶ二大政党を形成する基盤が作られていくことになります。

このように第3次桂内閣は、日本の近代化が進む中での政治的混乱と変革の一翼を担った重要な期間を象徴していました。

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