第3艦隊 (アメリカ軍)

アメリカ海軍第3艦隊について

アメリカ海軍の第3艦隊（U.S. Third Fleet）は、主に国際日付変更線以東の東太平洋を担当していますが、これは南米の西岸の海域を除いた範囲です。その司令部はカリフォルニア州サンディエゴ、ロマ岬の海軍基地に位置しています。この艦隊は、国際日付変更線以西の西太平洋及びインド洋（中東地域を除く）を担当する第7艦隊と共に、アメリカの太平洋艦隊を構成し、統括的な指揮を受けています。また、アメリカ近海では連合艦隊の指揮下にあることもあります。

第3艦隊は、艦艇を第7艦隊や中東担当の第5艦隊へローテーションで派遣するシステムを採用しています。このため、派遣される艦艇の指揮権は担当する海域に応じて、第3艦隊から第7艦隊または第5艦隊へと移行します。

沿革

第3艦隊の歴史は1943年に遡ります。この年、ウィリアム・ハルゼー大将の指揮する南太平洋部隊が再編成され、第3艦隊が設立されました。太平洋戦争中の1945年には、レイモンド・スプルーアンス大将により一時的に第5艦隊と名称を変更し、その後、終戦を迎えた1945年10月に一度解隊されました。

1973年に再編成が行われ、第3艦隊は復活しました。新たに司令部はハワイ州のフォード島に設置されましたが、1986年には旗艦「コロナド」(USS Coronado, AGF-11)に移され、2003年には再度司令部がカリフォルニア州サンディエゴのロマ岬海軍基地へと戻りました。2015年には、司令官のノラ・タイソン中将をはじめ、艦隊のさらなる西太平洋への関与の強化が示唆されました。

所属任務艦隊

第3艦隊は様々な任務艦隊（タスクフォース）から構成されており、これらは通常「CTF-3x」という形式で番号が付与されています。以下に主要な任務艦隊を示します：

• - 第30任務部隊 (Task Force 30, CTF-30): 戦闘任務を主に担当。
• - 第31任務部隊 (Task Force 31, CTF-31): 戦闘の支援や展開を行う部隊。
• - 第3艦隊戦闘部隊 (3rd Fleet Battle Force): 戦闘活動全般を指揮。
• - 第3艦隊戦闘支援部隊 (3rd Fleet Combat Support Force): 戦闘支援機能を有する部隊。
• - 第3艦隊潜水艦部隊 (3rd Fleet Submarine Force): 潜水艦による作戦を担当。
• - 第3艦隊上陸部隊 (3rd Fleet Landing Force): 上陸作戦を遂行する任務を持つ部隊。
• - 第3艦隊空母打撃部隊 (3rd Fleet Carrier Strike Force): 空母を中心とする打撃部隊。

この構成により、第3艦隊は多様な任務に迅速かつ柔軟に対応できる体制を整えています。現在もアメリカ海軍において、非常に重要な役割を果たしています。

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