第32回日本レコード大賞

第32回日本レコード大賞

第32回日本レコード大賞は、1990年12月31日に日本武道館で開催されました。この年から、各賞はポップス・ロック部門と歌謡曲・演歌部門に分かれることとなり、これは同じ日に行われる裏番組『第41回NHK紅白歌合戦』に対抗する狙いがありました。加えて、視聴者による投票システムが大賞の選考に取り入れられ、膨大な数の候補曲の中から視聴者が選ぶ形になったのです。

特に注目すべきは、視聴者投票の導入が実現した背景に、前回の大賞授賞式での美空ひばりの有力候補が、Winkに敗れたことによる組織的な投票疑惑の浮上があった点です。今回は全国から700人が参加し、投票によって選出された結果、ポップス・ロック部門の大賞には、アニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディングテーマで知られるB.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」が輝きました。これにより、彼らは初受賞、またビーイングレコードとしても初の栄冠を手にしました。オリコン年間シングルチャートでの1位獲得は第30回以来2年ぶりのことでした。

さらに注目すべきは、B.B.クィーンズがデビュー曲で大賞を受賞したのが1988年の「黒い花びら」以来31年ぶりであったことです。ポップス・ロック部門の大賞は、当時TBSの記者であった秋山豊寛がプレゼンターを務めました。

一方、歌謡曲・演歌部門の大賞は堀内孝雄の「恋唄綴り」に決定しました。このジャンルでは、堀内が初めて大賞を受賞し、Winkが発表を担当しました。全体の視聴率は12.5%と前年より1.5ポイント低下しました。

この年の日本レコード大賞は、TBSの旧ロゴマークが使用された最後のものとなり、富山県のTBS系列局チューリップテレビが初めて生中継を担当しました。

受賞作品一覧

ポップス・ロック部門

• - 日本レコード大賞: おどるポンポコリン（B.B.クィーンズ）
• - 最優秀ポップス・ボーカル賞: 告白（竹内まりや）
• - 最優秀ロック・ボーカル賞: 真夏の果実（サザンオールスターズ）
• - 最優秀ポップス・新人賞: お祭り忍者（忍者）
• - 最優秀ロック・新人賞: さよなら人類（たま）
• - アルバム大賞: ケダモノの嵐（ユニコーン）

歌謡曲・演歌部門

• - 日本レコード大賞: 恋唄綴り（堀内孝雄）
• - 最優秀歌唱賞: 蛍（松原のぶえ）
• - 最優秀歌謡曲新人賞: 愛されてセレナーデ（ヤン・スギョン）
• - 最優秀演歌新人賞: 一円玉の旅がらす（晴山さおり）
• - アルバム大賞: 真夜中のシャワー（桂銀淑）

また、作曲や編曲、詩に関する賞も数多く授与され、特に桑田佳祐と竹内まりやがそれぞれ高く評価されました。外国アーティスト賞にはマドンナが選ばれ、特別賞では北島三郎が受賞しています。

このように、第32回日本レコード大賞は新たな試みと多くの新しい才能の登場が印象的なイベントでした。

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