第32回有馬記念

第32回有馬記念の振り返り

1987年12月27日、中山[[競馬場]]で開催された第32回有馬記念は、競馬ファンにとって記憶に残る波乱の展開となりました。名だたる競走馬が多数出走し、期待が高まる中で展開されたこのレースは、様々な要因が重なり思わぬ結果に終わりました。

当年のレースには、二冠馬サクラスターオーや、ダービー馬メリーナイス、牝馬三冠を阻止したタレンティドガールなど、豪華な顔ぶれが集まりました。特にサクラスターオーは、大きな期待が寄せられていました。しかし、レースが始まると事態は急変していきます。

スタート直後、メリーナイスがつまずき、騎手の根本康広が落馬するというアクシデントが発生します。この影響でレースは動きが鈍り、通常なら逃げ馬に絡むはずのミスターブランディも、意外にも内に折り合うことになりました。その結果、レジェンドテイオーが主導権を握り、スローペースのままレースが進行しました。このペースにより、他の馬たちはかかったり、力を持て余してしまう状態に陥りました。

第3コーナーを過ぎた頃、サクラスターオーに脚部に故障が発生し、騎手は注意を払ったものの、状況は悪化し、ついには下馬する事態に。これによって有力馬たちが次々と脱落する中、レースは第4コーナーを迎えます。

そしてレースはラストスパートに突入しますが、最終的に勝ち取ったのは人気薄のメジロデュレン。この馬が1着、続いて2着に入ったユーワジェームスとの間でのゾロ目馬券が成立し、当時としては驚異的な163倍の高配当が発生しました。これは有馬記念史上、最大の連勝複式配当記録ともなり、多くのファンを驚かせました。

レース後、サクラスターオーの騎手である東信二は、もし事故がなければ勝っていたのではないかと悔やむ様子を明かしました。また、故障発生の際の感覚について、「穴ボコに入ってしまったような感覚だった」と振り返っており、悲劇的な状況を語っています。その後、サクラスターオーは1988年5月に状態が悪化し、残念なことに安楽死処分とされました。

また、メリーナイスの騎手も落馬について反省の意を示し、多くの競馬ファンに迷惑をかけたと謝罪しました。長手綱を使ったことが裏目に出たとの記録もあり、導入の難しさが浮き彫りになったレースでもありました。

この第32回有馬記念は、予想外のハプニングや結果が続出し、競馬の厳しさを実感させる名レースとなりました。競馬ファンにとって、この日の出来事は忘れがたい思い出の一つとなっていることでしょう。

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