第34回世界遺産委員会

第34回世界遺産委員会の概要

2010年7月25日から8月3日まで、ブラジルの首都・ブラジリアにて、第34回世界遺産委員会が開催されました。この会議では、世界中から推薦された文化や自然遺産が審議され、15の文化遺産、5の自然遺産、そして1件の複合遺産が新たに世界遺産リストに登録されることが決定されました。

審議対象の推薦物件一覧

審議の対象となった物件には、文化遺産や自然遺産が含まれています。また、一部の物件には拡大登録の可否についての議論も行われました。中でも重要なのは、世界遺産リストに追加された物件のうち、太字で示されたものです。これらの物件は、国際的にその価値が認められ、新たに世界遺産としての地位を得ました。

危機遺産

世界遺産の中には、危機に晒されているものもあり、いわゆる「危機遺産」に関する議論も行われました。この会議では、危機遺産リストから1件が除外され、さらに新たに4件がリストに加わることが決まりました。これは、これらの遺産が持つ文化的・自然的価値を守るための重要な措置と言えます。

その他の議題

この会議では、文化遺産の多様性に関連するセマティックスタディも実施されました。特に「天文学および考古天文学」が取り上げられ、世界的に重要な天文遺産を推進する方針が打ち出されました。

中国の三江併流に関しては、登録範囲の若干の変更が審査されました。会議では、森林の伐採や鉱山の掘削が遺産を危うくする要因であるとの反対意見があったものの、最終的には約7万ヘクタールの面積縮小が認められました。これにより、より適切な保全が可能となることが期待されています。

また、2007年に登録された石見銀山についても、登録範囲の小規模な変更が認められ、これによりより良い保全状況の確保が見込まれます。

結論

第34回世界遺産委員会では、多くの重要な決定が行われ、文化遺産や自然遺産の保存や推進に関する新たな方針が示されました。これらの成果は、世界中の遺産を守るための大きな一歩であり、今後のさらなる活動に期待が寄せられています。

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