第38師団 (日本軍)

第38師団

第38師団は、1939年（昭和14年）に大日本帝国陸軍に編成された師団の一つです。日中戦争の長期化と戦線拡大に対応するため、占領地の警備と治安維持を目的として、歩兵3個連隊を基幹とする師団として新設されました。同時期には、第39師団、第40師団、第41師団も新設されています。

沿革

設立と初期の活動

1939年6月30日に編成された第38師団は、同年10月に華南に進駐し、第21軍の指揮下に入りました。広東方面の警備を担当し、他の治安師団と同様に、様々な治安作戦に従事しました。

南方作戦への参加

1940年2月9日に第21軍が廃止されると、新設された南支那方面軍に編入されました。1941年6月28日に南支那方面軍が廃止されると、第23軍に編入され、香港の戦いに参加しました。その後、1942年1月4日に第16軍に転属し、蘭印作戦に参加。ジャワ島攻略戦などで激戦を繰り広げました。

ガダルカナル島での戦い

第38師団は、ガダルカナル島の戦いに投入され、甚大な損害を受けました。ガダルカナル島からの撤退後、第8方面軍の直轄となり、隷下の歩兵第229連隊はニュージョージア島の戦いに参加しました。

ラバウル防衛と終戦

戦力再建後、第38師団はラバウルの防衛に従事し、そのまま終戦を迎えました。

師団概要

歴代師団長

藤井洋治 中将：1939年10月2日 - 1941年6月20日
佐野忠義 中将：1941年6月20日 - 1943年6月10日
影佐禎昭 中将：1943年6月10日 - 終戦

参謀長

谷田勇 工兵大佐：1939年10月6日 - 1940年12月2日
阿部芳光 大佐：1940年12月2日 - 1943年3月23日
田中良三郎 大佐：1943年3月23日 - 終戦

最終所属部隊

歩兵第228連隊（名古屋）：山口達春中佐
歩兵第229連隊（岐阜）：平田源次郎大佐
混成第3連隊：遠藤健治大佐
山砲兵第38連隊（名古屋）：神吉武吉大佐
工兵第38連隊（豊橋）：西村金三郎少将
輜重兵第38連隊（名古屋）：幸田録郎中佐
第38師団通信隊（名古屋）：集田貞雄少佐
第38師団兵勤隊（名古屋）：佐藤光蔵少佐
第38師団衛生隊（名古屋）：仙田藤助少佐
第38師団第1野戦病院（岐阜）：大畠良秀軍医中佐
第38師団第2野戦病院（岐阜）：坂野長夫軍医少佐
第38師団病馬廠（名古屋）：土屋義弥獣医少佐

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧

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