藤井洋治

藤井洋治について

藤井洋治（ふじい ようじ）は、1887年10月5日に広島県福山市で生まれた日本陸軍の軍人です。1945年8月6日に広島市への原子爆弾投下により被爆死しました。最終階級は陸軍中将です。

軍歴

1907年5月、陸軍士官学校（19期）を卒業。同年12月に歩兵少尉に任官し、歩兵第11連隊に配属されました。その後、1916年11月には陸軍大学校（28期）を卒業しています。

参謀本部勤務や参謀本部員を経て、1921年4月にはアメリカ大使館付武官補佐官となり、1922年12月まで務めました。帰国後は、陸軍大学校教官兼参謀本部員、歩兵第11連隊付、天津駐屯歩兵隊長、歩兵第12連隊付などを経て、第1師団司令部付（早稲田大学配属将校）に任命されました。

1932年7月、歩兵第37連隊長となり、その後、第16師団司令部付（京都帝国大学配属将校）を務め、1935年8月に陸軍少将に進級しました。

その後、歩兵第19旅団長、近衛師団司令部付などを歴任し、1938年7月には陸軍中将に昇進しました。留守第1師団長を経て、新設の第38師団長に任命され、広東方面の警備や作戦に従事しました。内地に帰還後は中部軍司令官などを務め、1942年8月に予備役に編入されました。

しかし、1943年11月に召集を受け、参謀本部付となります。その後、広島師管区司令官、第59軍司令官、兼中国軍管区司令官を務めました。

1945年8月6日、広島市内の官舎で出勤準備中に広島市への原子爆弾投下により、夫人と共に被爆し亡くなりました。

栄典

藤井洋治は、その軍功により以下の勲章を受章しています。

勲一等瑞宝章 - 1940年（昭和15年）5月17日
勲一等旭日大綬章 - 1942年（昭和17年）3月9日

関連事項

藤井洋治と同じく、広島原爆で被爆死した人物として以下の人々が挙げられます。

李鍝 - 第二総軍教育参謀
大塚惟精 - 中国地方総監
粟屋仙吉 - 広島市長

また、被爆死を免れた人物としては以下の人々が挙げられます。

高野源進 - 広島県知事（被爆者救援を指揮）
佐伯文郎 - 陸軍船舶司令部（暁部隊）司令官
松村秀逸 - 陸軍中国軍管区参謀長（司令官不在の間、管轄下の陸軍を指揮）

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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