第4装甲軍

第4装甲軍の歴史

概要

第4装甲軍（だいよんそうこうぐん）、または独語で4. Panzerarmeeは、第二次世界大戦中のドイツ陸軍における重要な装甲部隊の一つです。元々は第4装甲集団として知られていましたが、戦局の変化に応じて昇格し、さまざまな戦闘に参加しました。特にバルバロッサ作戦では、その迅速な動きと戦闘能力を発揮したことが知られています。

1941年：バルバロッサ作戦の展開

1941年に実施されたバルバロッサ作戦では、第4装甲集団は北方軍集団の一部として展開しました。ここでは、第XLI軍団と第LVI軍団が参加し、総勢635両の戦車を運用しました。彼らはネマン川を横断し、早期段階で成功を収めましたが、ラセイネイでの戦闘ではソビエト赤軍の約300両の戦車の反撃を受け、熾烈な戦闘が繰り広げられました。その中で、第4装甲集団は包囲を成功させ、敵を撃破しました。

その後、西ドヴィナ川を越え、レニングラードの進撃を行いました。しかし、この地域ではソビエト赤軍の堅固な防御が待ち構えており、ヒトラーはレニングラード攻撃の命令を出しますが、同時にモスクワ攻撃の強化も指示しました。これにより、第3装甲集団と第4装甲集団は中央軍集団に転配され、モスクワに向かうこととなります。

冬の厳しい気候と補給の困難に直面しましたが、第4装甲集団はモスクワにわずか24kmの距離まで迫ります。しかし、その後の反撃により、部隊は約300km押し戻される結果となりました。

1942年：防衛と南方戦線への転属

1942年の元日に、第4装甲集団は第4装甲軍に昇格しました。春には南方軍集団に転属され、再び攻撃への移行が図られました。ドイツ軍の青作戦では、戦略的な分割が実施され、第4装甲軍はスターリングラードを占拠するための絶対的な役割を担いました。だが、連携の不全から予定通りに進撃できず、防衛任務に転じる羽目となります。

11月にはソビエト軍の反撃に遭い、部隊が包囲される事態に直面しました。第4装甲軍は冬季の戦闘を試みますが、失敗に終わり、降伏することになるのです。

1943年：再建と反撃

1943年、第4装甲軍は再び増強され、その戦力は大規模な補充を受けました。ハリコフの奪還に成功し、反撃の姿勢を固めます。クルスクの戦いでは先鋒として配置されましたが、突破に失敗します。その後も防御の役割を果たし、キエフの奪還に向けた戦闘が続く中、ソビエト軍の攻勢に応じて戦力を維持し続けます。

1944年：後退と集中

1944年初頭までに、第4装甲軍は1941年の国境まで撤退することとなりました。占拠された地域では、ソビエト赤軍が東部戦線に集中し、動きが鈍化していきます。

1945年：最終局面

1945年に入ると、ヒトラーの命令により第4装甲軍はポーランド南部で防御線を形成しました。しかし、1月からのソビエト赤軍の攻撃は容赦なく、部隊はさらなる損失を被ります。4月には再び攻撃を受け、最終的には包囲される結果に。

その後、ベルリンへの退却命令が出ますが、命令に従わず、周囲の勢力との接触を断つこととなりました。最終的には多くの兵士がアメリカ軍に降伏し、歴史にその終わりを迎えました。

司令官たち

各時期において、第4装甲軍を指揮した名将たち。中でもエーリヒ・ヘプナー、リヒャルト・ルオッフ、ヘルマン・ホト、エアハルト・ラウスらはその戦略的判断が評価されています。

このように、第4装甲軍は様々な激戦を経て、その存在感を示してきましたが、最終的には連合国の攻撃に押し戻されることになります。それでも彼らの戦歴は、第二次世界大戦史の中で一つの重要な章を形成しています。

もう一度検索