第40集団軍

第40集団軍とは

第40集団軍は、中国人民解放軍陸軍に所属する軍級部隊で、乙類集団軍に分類されます。現在この部隊は、遼寧省の錦州を司令部として活動しています。第40集団軍は、その長い歴史と多くの戦績により、中国の防衛戦略における重要な役割を果たしてきました。

歴史的背景

第40集団軍の歴史は、対日戦勝利後の1945年にさかのぼります。この時、中国共産党は、北東部を軍事的な拠点とする決定を下しました。朱徳総司令の指揮のもと、李運昌の部隊が東北部に進出し、既存の抗日遊撃隊を基盤にして新たに第3師と警3旅が編成され、最終的に東北民主連軍第3縦隊として再編成されました。

国共内戦では、曽克林将軍が部隊を指揮し、特に三保本渓や四保臨江の作戦において重要な役割を果たしました。その後、韓先楚が司令官に就任し、「旋風部隊」としての名を馳せました。遼瀋戦役においては、配下の第7師（後の第118師）が重要な拠点である錦州を攻略し、さらなる戦果を挙げました。特に遼西会戦では、第3縦隊が国民党部隊を撃破し、東北の解放に寄与しました。

1949年には、第3縦隊が第40軍へと改編され、韓先楚がその軍長、羅舜初が政治委員に任命されました。その後、この軍は第4野戦軍に付随して南下し、武漢三鎮を解放しました。さらに全国解放後には、海南島の解放作戦にも参加しました。

朝鮮戦争とその後

1950年、朝鮮戦争が勃発すると第40軍は北進し、第13兵団のもとに編成され、朝鮮半島へと進出しました。1950年10月25日には、第118師が韓国軍第6師団の1個大隊と遭遇し、励驚的な奇襲を行って全滅させ、この勝利により温井を占領しました。この日は中国人民志願軍出国記念日として記憶されています。戦闘後、第40軍は東北部に戻り、そこでの駐屯が続きました。

1960年代には中ソ対立が深刻化し、中国共産党中央軍事委員会によって縦深防御部隊と位置づけらました。1980年代には、国防戦略の見直しの一環として乙類集団軍に編入され、配下の第118師は甲類を維持しつつ、他の師団もそれぞれの役割に改編されました。

現在の編制

第40集団軍の編制は、以下のようになっています。軍部は遼寧省錦州に位置しており、それぞれの部隊が特定の地域に配置されています。

• - 第118自動車化歩兵旅団（遼寧省義県）
• - 第119自動車化歩兵旅団（内モンゴル自治区赤峰）
• - 第5装甲旅団（遼寧省阜新）
• - 砲兵旅団（遼寧省錦州）
• - 防空旅団（遼寧省錦州）
• - 第10工兵連隊（遼寧省撫順）
• - 通信連隊（遼寧省錦州）
• - 教導大隊（遼寧省朝陽）
• - 司衛訓練大隊（遼寧省葫芦島興城）

第40集団軍は、長い歴史の中で多くの戦闘経験を積み重ねてきました。これにより、中国の地域の安全保障と国防戦略において、重要な役割を担い続けています。

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