第41回国民体育大会

第41回国民体育大会の概要

第41回国民体育大会は1986年、山梨県で開催されました。大会は冬季と夏季および秋季の3つの部に分かれ、テーマは「かいじ国体」、スローガンは「ふれあいの場をひろげよう」でありました。また、冬季スキー競技のための特別なテーマ「えぞふじ倶知安国体」も設けられました。

大会の背景と意義

この大会では、浩宮徳仁親王が夏季大会に初めて臨席したことや、昭和天皇が秋季大会の開会式に出席した最後の国民体育大会となったことから、特に歴史的な意義を持つ大会となりました。昭和天皇は翌年の海邦国体には出席できず、1989年1月に崩御されました。

さらに、今回の国体では競技記録の収集に向けた電算化が進められ、これが後の「ニューメディア国体」の先駆けともなりました。大会がもたらした技術革新は、大会運営において重要な役割を果たしました。

大会の準備と整備

大会に向けて、山梨県は整備のための多くの準備作業を行いました。開催地として選ばれた山梨県については、当時の知事・望月幸明の「活気ある山梨づくり」政策により、さまざまな整備が進められました。しかし、その政策は一部の県民から行き過ぎだとの指摘を受け、山梨行政監察局による調査が検討されることになりました。この事について、当時の総務庁長官は内閣委員会において確認しました。

会場の整備

大会の主会場は山梨県管理の緑が丘スポーツ公園内の施設の改修が当初計画されましたが、老朽化が進んでいたため改修が実質的に不可能であることが判明しました。そのため、新たに小瀬スポーツ公園を急ピッチで整備することが決定され、1985年の大会前年にオープンしました。冬季大会では、スケート競技を富士急行の運営するリンクで開催。スキー競技は北海道の倶知安町にて行われることとなりました。

新しい施設として、富士北麓公園や白根町にラグビー場、境川村には自転車競技場、南部町には総合野球場が設けられ、地域のスポーツインフラが整ったことが大会の大きな成果の一つです。

交通機関の整備

大会開催に向けて、交通アクセスの改善も行われました。甲府市の中心駅、甲府駅は新しい駅ビル「エクラン」としてリニューアルされ、中央本線・塩山駅も橋上化されました。また、未開通だった中央自動車道や、東富士五湖道路の開通も相まって、交通の便が大きく向上しました。

宿泊施設の充実

大会に向けた宿泊施設の準備は課題でしたが、地元の公民館の利用や家庭でのホームステイなど、地域住民の協力が得られ、全国からの選手を迎える体制を整えました。

憩いの象徴、マスコット「ふじくん」

大会のマスコットキャラクターとして、富士山を模した「ふじくん」が登場し、地元のシンボル的存在となりました。大会終了後、彼は山梨県警察のマスコットとしても活躍し続けました。

競技内容と成績

大会では陸上、水泳、サッカー、スキーなど多岐にわたる32種目が実施されました。成績では山梨県が両チームともトップに立ち、天皇杯と皇后杯を獲得しました。これは、地元の選手たちの活躍を象徴するものであり、スポーツ振興の大きな成果でもあります。

終わりに

第41回国民体育大会は、スポーツと地域の活性化を促進する重要な機会であり、多くの人々が参加し、成功を収めた歴史的なイベントでした。この大会は、地域住民の努力と協力によって成し遂げられたことが特筆されるべきです。

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