第41師団 (日本軍)

第41師団

第41師団は、1939年（昭和14年）に大日本帝国陸軍に編成された師団の一つです。日中戦争の長期化に伴い、占領地の警備や治安維持を目的として、歩兵3個連隊を基幹とする編制で新設されました。同時期には、第38師団、第39師団、第40師団など、多くの師団が新たに編成されています。

大陸戦線での活動

編成後、第41師団は同年10月に華北へ進駐し、第1軍の指揮下に入りました。山西省を拠点として、約3年間、占領地の警備や治安維持活動に従事しました。この間、他の治安師団と同様に、様々な治安作戦に参加しています。

太平洋戦線への転戦

1942年（昭和17年）11月、戦局の悪化に伴い、第41師団は華北からニューギニアへと転用されることになりました。第8方面軍隷下の第18軍に編入され、先遣隊として歩兵第239連隊が1943年2月下旬に、師団主力も同年5月に東部ニューギニアのウェワクに進出しました。しかし、時既に第51師団はラエ・サラモアの戦いで敗北、続くフィンシュハーフェンの戦いでも第20師団が大きな損害を受けており、第18軍は壊滅的な状況にありました。

1944年（昭和19年）7月10日、第41師団を主体とした第18軍の残存兵力をもって、アイタペの戦いを挑みましたが、戦況を打開することはできませんでした。その後、師団はアレキサンダー山系に撤退し、厳しい飢餓との戦いを強いられました。

師団概要

歴代師団長

田辺盛武 中将：1939年（昭和14年）10月2日 - 1941年（昭和16年）3月1日
清水規矩 中将：1941年（昭和16年）3月1日 - 1942年（昭和17年）7月1日
阿部平輔 中将：1942年（昭和17年）7月1日 - 1943年（昭和18年）6月11日（戦病死）
真野五郎 中将：1943年（昭和18年）6月14日 - 終戦

参謀長

田島彦太郎 騎兵大佐：1939年（昭和14年）10月6日 - 1941年7月7日
三原修二 大佐：1941年（昭和16年）7月7日 - 1943年8月2日
伊藤章 大佐：1943年（昭和18年）8月2日 - 1944年5月24日戦死
増成正一 中佐：1944年（昭和19年）8月17日 - 終戦

最終所属部隊

第41歩兵団：青津喜久太郎少将
歩兵第237連隊（水戸）：奈良正彦少将
歩兵第238連隊（高崎）：山口達春大佐
歩兵第239連隊（宇都宮）：越智鶴吉大佐
山砲兵第41連隊：大野斌夫大佐
工兵第41連隊：加藤正中佐
輜重兵第41連隊：吉松篤大佐
第41師団通信隊：長井角治少佐
第41師団第1野戦病院：難藤正明軍医少佐
第41師団第2野戦病院：寺本巖軍医少佐
第41師団第3野戦病院：中浜欣時軍医少佐

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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